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「ライブデモで学ぶ『SOAを実現するインフラストラクチャー』第三弾 〜既存資産の効率的な利活用とは 『実践編』〜」出展報告
(2007年5月23日時点)

2007年3月14日(水)に、NECブロードバンドソリューションセンター(品川)で「ライブデモで学ぶ『SOAを実現するインフラストラクチャー』 第三弾」が開催されました。本セミナーは「WebOTX WORKS」に参加いただいたパートナー企業様と第七回目、2006年度を締めくくるプロモーション活動となっております。

1. 集客状況、およびお客様層について

本セミナーは“ライブデモで学ぶ”をキーワードとして『SOAって何?』ではなく、『SOAをどう取り入れるの?』といった、前回の第二段よりも具体的な『既存資産の効率的な活用方法』を解説する企画となっています。このため参加された多くの方が、実際にシステム構築をされているという“現場の方”でした。

その一方で、NECのSOAコンサルが講演することもあり、経営・企画の方も交えた幅広い分野の方にご参加いただきました。

セミナー開演時の様子

SOAコンサルによる講演のスライド
セミナー開演時の様子

2. セミナー内容

本セミナーは、「事例で語るSOAを基軸にしたシステム企画の進め方」というコンサルティングパート、「SOAによる柔軟なシステム連携の実現方法」「既存資産をSOAで活用のための秘訣とは?」「SOA時代のCOBOL活用技法」という製品紹介パート、そしてSAPシステムとCOBOLシステムをサービスとして融合していく「ライブデモ」パートの、合計5セッション構成で開催いたしました。

2.1. 〜事例で語る〜 SOAを基軸にしたシステム企画の進め方

SOA導入っていうけど、具体的には何をターゲットとして始めるの?SOA導入を検討するときの留意すべきことって何?SOAの導入パターンと、多くのシーンで要件として挙げられる“既存資産の再利用”に関してどのようにNECが考えているのかを、現場で多くの案件に身をおくコンサルタントであるNEC IT基盤システム開発事業部 中川 正彦からご紹介いたしました。

本セッションでは、NECが考える「SOA導入パターン」を3つに再定義。この中には『既存資産の再利用』というパターンも含まれています。まずはこれらを目的と効果をきちっと定義をした上で『SOA導入を基軸したシステム企画の考え方』を解説いたしました。解説では実際のコンサル事例を照らし合わせたため、より具体的なイメージを持っていただけたのではないでしょうか。

内容は大きく分けて、「現状分析/施策立案」「業務分析/アーキテクチャ策定」「開発ガイドライン作成/プロジェクト計画」の3つ。本レポートでは、ポイントだけを掻い摘んでご紹介いたします。

まずは現状分析。この分析結果を経て施策立案となります。現状分析の方法はいくつかありますが、本セッションでは現状問題構造化ツリーによる分析例を示して具体的なイメージを持っていただきました。

次の業務分析では、業務パターンを抽出した業務フローサンプルを作成し、この結果を踏まえてリファレンスアーキテクチャを策定。企画フェーズの最終ターゲットはSOA導入を開始できるまでの準備を行うこと。そのため骨子となるリファレンスアークテクチャの策定が重要であること。これがすべての拠り所となることをあわせて説明しました。あわせてリファレンスアークテクチャ策定では、策定した結果だけではなく、その過程であるプロセスが重要であることも説明。”お客様とSOA基本構想の共通理解を図ること”の重要性を説いたものです。このあたりは、実際にコンサル現場をいくつも経験してきたからこその“SOA導入の留意点”。多くの方が資料にコメントをいれておられたようです。

“どのような課題を解決するのか。どの業務範囲で解決するのか。どのパターンを狙ってどのアーキテクチャを意識していくのか”、これらを明確にするプロセス全体が企画フェーズであると締めくくって本セッションを終了しました。

NEC IT基盤システム開発事業部 中川 正彦
NEC IT基盤システム開発事業部 中川 正彦

2.2. SOAによる柔軟なシステム連携の実現方法

SOA導入パターンの一つとして紹介された『既存資産の再利用』の内容を受けて、『既存資産の再利用』つまりは”異なるシステムを束ねて繋げること”について、NEC 第二システムソフトウェア事業部 柴田よりご紹介いたしました。

まずは、現状システムとSOAシステムとの構造的な差異を明確化し、その差異こそが、これからのシステム連携で必要とされる“柔軟性”を生むことを解説いたしました。

システム連携における課題を、“さまざまなシステムを連携することに対する課題”と、”連携した後での変更に対する課題”の二つに再定義。WebOTX製品を導入すれば解決できるという説明ではなく、SOAシステムならではのリスクも整理して説明。そのリスクをNECはどのように考えているのか、WebOTX製品がそのリスクに対してどのような解を持っているのかについて解説いたしました。

「すべての通信が集中するEnterprise Service Busだからこそ、性能ボトルネックがあってはならない」「変化に強い=システム連携とプロセス統合を段階的に繰り返せること。だから、設計や開発ノウハウは“標準仕様”が好ましい。結果として要員コストだけでなく保守コストでも効果が期待できる」といった説明では、多くの方がメモを取られていました。

NEC 第二システムソフトウェア事業部 柴田 昌宏
NEC 第二システムソフトウェア事業部 柴田 昌宏

2.3. 既存資産をSOAで活用のための秘訣とは?

「SOA全体の中では小さい部分であるけれども、成功の鍵となりうる“システム間の接続に必要なテクノロジー”」と、既存資産活用の勘所を宣言しながら、アイウェイ・ソフトウェア株式会社の山口 智彰様に‘秘訣’をご紹介いただきました。

「既存資産活用における課題」を「時間、費用、リスク増加」と定義した上で、SOAと照らし合わせた課題を解決する考え方として次の3点を宣言。それぞれについて「何故」を解説していただきました。

  1. 既存資産を可視化して再利用すること
  2. 標準技術による接続性・保守性が確保できること
  3. 様々なプラットフォームから利用可能であること

課題と解決方法の内容を受けて、iWay Adaptive FrameWorkとWebOTXの連携によって、システムとして何ができるようになるのかを、より具体的なシステム構成とあわせてご紹介いただきました。

今回のセッションでは、前回のセミナーではご紹介できなかった「イベント駆動型モデル」を解説。「WebOTX⇒既存資産」ではなく、「既存資産⇒WebOTX」というモデル。”既存資産は使われる側だけではなく、既存資産が新規システムを使うことだってできる”ことを具体的に示した解説シーンでは、現場の方でしょうか、画面を食い入るようにみられていた方の存在が印象に残りました。

アイウェイ・ソフトウェア株式会社 山口 智彰 様
アイウェイ・ソフトウェア株式会社 山口 智彰 様

2.4. SOA時代のCOBOL活用技法

「既存資産そのものであるCOBOL。とはいえ、COBOLとは現在でも多くのシステムで使われている言語です」と、マイクロフォーカス株式会社 小林 純一 様より、SOA時代におけるCOBOLについてご解説いただきました。

「米国の2006年末の使用言語の調査レポートでCOBOLは第二位。COBOLは決してレガシー領域だけの言語ではない」と宣言。本セッションではオープン領域のCOBOL活用技法について、具体的な手順を交えながらの説明となりました。なお、レガシー領域のCOBOLはアダプタなどを用いてサービス化するアプローチとなるとのこと。ACOS-4といったNECのメインフレーム上のCOBOLはまさにこのアプローチですね。

COBOL既存資産の活用の基本はラッピング技法。Micro Fosus Server製品では、ラッピングでコンポーネント化する従来からの機能に加えて、サービス化する機能が提供されていることをご説明いただきました。

最後は「COBOL資産を分散コンポーネントで活用する技術は既に確立されており、今後はWebOTXのようなSOA基盤製品の充実により、サービスとして利用する道が開けている」と締めくくった上で、「COBOL資産活用のための無償カウンセリング」などをご紹介されてから、セッションが終了いたしました。

マイクロフォーカス株式会社 小林 純一 様
マイクロフォーカス株式会社 小林 純一 様

2.5. ライブデモ

今回のセッションの一番の目玉であるライブデモ。“既存資産を今後どのように活用していけばよいのか”といった課題を持つお客様に向けて、よりリアルなSOA構築手順を解説いたしました。マシンが複数台並んでいますが、既存資産のデモシステム構成や、既存資産をなぜ活用したいのかといった、シナリオをまずは「システムを統合する責任者という位置づけ」でNECの柴田からご紹介いたしました。

NECの柴田からデモによるご紹介

NECの柴田からデモによるご紹介
NECの柴田からデモによるご紹介とその流れ

統合責任者からの全体説明が終わった後は、在庫割当業務のグループ責任者という立場で、マイクロフォーカス株式会社の小林様にバトンタッチ。まずは既存のCOBOL資産のアプリケーション動作を確認。GUI開発ツールではオンラインデバッグも行われました。黒字に白文字のテキストベースのユーザ画面もあわせて確認をいたしました。この画面がでたときは「そうそう、あれあれ」という声が聞こえてきました。なじみがあるインタフェースなのでしょう。

その上で、Micro Focus Serverが提供するInterface Mapping Toolkitを使って既存のCOBOL資産をサービス化する手順を実際に説明していただきました。そのシンプルな操作にディスプレイに近寄り、「はぁ〜〜〜」というため息をつきながら見られていた方が印象的でした。

COBOL資産のサービス化デモ
COBOL資産のサービス化デモ(クリックすると拡大表示)

在庫割当業務のグループ責任者の後は、SAPの販売管理システムを管理しているまた別のグループの立場で、アイウェイ・ソフトウェア株式会社 山口様にご説明いただきました。iWayアダプタによるSAPシステム再利用のシナリオを、今度はiWay アダプタが提供するiWay エクスプローラ(Eclipseプラグイン)を用いて解説しました。iWay エクスプローラの特長は、SAPならSAPシステムに直接に接続してビジネスロジックのインタフェース情報を取得して、SAPシステムのアダプタを作成していく点です。こちらもMicro Focus Serverと同様に、画面に食い入る人が出てまいりました。やはり、ライブデモとのことで、実際の動作画面があるので開発イメージを持ちやすかったのだと感じました。

iWayアダプタによるSAPへの接続設定デモ
iWayアダプタによるSAPへの接続設定デモ(クリックすると拡大表示)

そして、再びシステム統合責任者としてNECの柴田から、アダプタを仮想化してサービスとして繋げるための設定を、WebOTXの開発環境を用いて紹介しました。アダプタを仮想化して繋げるミドルウェアにエンタープライズサービスバスとして、WebOTX Enterprise Service Busを採用してのご紹介となりました。WebOTXの開発環境においても、仮想化するための手順はシンプルです。1画面の設定画面と結線によってサービス化していく手順をご説明しました。

ESBへのサービス接続の設定デモ
ESBへのサービス接続の設定デモ(クリックすると拡大表示)

次のアプローチは、ビジネスプロセスに従ったフロー記述を行うこと。COBOLの在庫引当サービスと、SAPの販売管理サービスを設計フローに従って、GUI上での結線ベースで実装していく様子をご紹介しました。こちらもWebOTXの開発環境によってその定義を行います。なお、今回は2007年7月リリース予定となっている新しいフロー定義画面を先行してご紹介させていただきました。

BPELプロセスの定義デモ
BPELプロセスの定義デモ(クリックすると拡大表示)

最後は統合されたシステムを実際に繋げてのデモンストレーションとなりました。ちゃんと繋がっているの?に対する回答としてご紹介したのは下記の2点。特にSAPクライアント画面がでたときは、やはり「そうそう、あれあれ」というささやき声が聞こえました。

  1. 実際にシステム間を流れるリアルタイムなメッセージをモニタリングしながら統合システムを使用していること
  2. その結果が正しく既存資産で処理されているかを、お馴染みのSAPクライアントを使って内容確認をすること

設計、構築、動作確認が完了した後は、本システムの効果というものを次のようにまとめてライブデモを完了いたしました。今回のライブデモは実際にシステム構築をしており、その構築全般を通しての所感となります。

  1. 今のシステムを使い続けられるので、新たな再構築が不要となり再構築に掛かる開発費用と開発期間を大幅に圧縮できた
  2. ツールを使ったので既存資産を短期間でサービス化できた
  3. 業務フローをコーディングでなく、処理フロー図(ビジネスプロセス)で記述できたので、システム全体の保守性が向上した

実行結果確認
実行結果確認(クリックすると拡大表示)

3. 総論

今回のセミナーは、これから考えていかなければならない「既存資産」とどのように向かい合っていくかというアプローチとしていました。SOAというテーマではあるものの、叶えたいことは「SOA」ではなく、あくまで「既存資産をより効率的に有効活用する」こと。ストーリーとしては、「”効率的”を実現する考え方としてSOAを採用してみたけど、その具体的な過程と、その結果は満足がいくものだったのか?」という内容です。

特に今回のライブデモでは、前回のセミナーでのアンケート結果を分析した上で「より現実的なシナリオ」を策定しています。現実的なシナリオの中で、どのようにそれぞれの製品特長を伝えるのか。一番は“やはりそのプロセスをご紹介することでないか”との結論になりました。いかがだったでしょうか。

アンケート結果を拝見すると、一番満足度が高かったのは期待通りに「ライブデモ」でした。具体的にどのようなプロセスを踏めば、どんな既存資産を有効活用していけるのかをきちんと伝えられていれば幸いです。

4. 更新履歴

 2007/5/23  初 版

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