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ホーム > NECについて > 企業の社会的責任(CSR) > CSRアニュアル・レポート2011 > 東日本大震災からの復興に向けて
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東日本大震災からの復興に向けて

東日本大震災により、被害を受けられたみなさまに、謹んでお見舞い申し上げます。一日も早い被災地の復興を心よりお祈りいたします。
NECは、このたびの震災を乗り越え、日本の復興と新しい街づくりに貢献していきたいと考えています。このページでは、被災地の方々をはじめとする各ステークホルダーのみなさまのための取り組みやNECグループ内における取り組みなどについて、報告します。

()報告内容は、震災発生直後から2011年7月ごろまでの取り組みであり、その後も取り組みは継続しています。

お客さまとともに社会のインフラ復旧・維持に貢献

NECグループは、社会のインフラを支えるITとネットワークのソリューションを提供している企業として、ライフラインの寸断を最小限にとどめるべく、震災の発生後すみやかに、お客さまである自治体、通信事業者、病院、企業のインフラシステム復旧を支援しました。

例えば、通信回復のための局用交換機、光回線、携帯電話基地局、海底ケーブルなどのインフラの復旧支援や、防災・消防、放送、交通など、社会機能維持のための官公庁・自治体・企業などの情報システムの復旧・維持支援などです。以下に具体的な事例を紹介します。

人工衛星によるコミュニケーション復旧支援

超高速インターネット衛星「きずな」(c)JAXA
超高速インターネット衛星「きずな」

震災直後からの断線のため地上公衆回線がほとんど使えない中、NECは独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の要請を受けて、岩手県での超高速インターネット衛星「きずな※」の地上局設置や通信接続を支援し、県の各災害対策本部間の情報共有、地域住民の安否情報提供など、被災地のコミュニケーション復旧に貢献しました。

※きずな: 2008年にJAXAが打ち上げた人工衛星で、大容量ネットワーク回線によって、突然の災害時やネットワークが脆弱な地域でも、高画質映像や動画を見ることができるものです。NECは、「きずな」本体とその地上局を製造しました。


お客さまの事業継続を支援

シンクライアント端末「US110」シンクライアント端末

東京海上日動火災保険(株)では、NECの仮想PC型シンクライアントシステム※を全社の基幹業務に導入いただいており、宮城県石巻市や気仙沼市などの被災した支社でも、データは失われずにすみました。

NECは、業務再開のために立ち上げられた岩手県盛岡市の仮事務所に、シンクライアント端末を緊急出荷し、データセンターにアクセスするためのシステム構築を行うことで、仮事務所の早期オープンに貢献できました。

お客さまからは、「被災地の支社の復旧や地震保険の査定ができ、保険契約をいただいているお客さま(被災された方)に対応できたことは、損害保険会社として大変ありがたかった」と、感謝の言葉をいただきました。

※シンクライアントシステム: 記憶媒体を搭載しない端末を使って、通信回線経由でプログラムやデータを利用するシステム

地域社会の復旧・復興のために

NECグループは、1億円を超える義援金や製品・サービスの提供、社会貢献プログラムなどを通じて、被災地の復旧・復興に取り組んでいます。社会貢献プログラムでは、従業員によるボランティア活動のほか、既存の活動を変更し、被災地の子ども、障がい者、高齢者などの支援につながる活動に注力するようにしています。

例えば、チャリティコンサートの募金を震災遺児のために寄付し、難病患者の支援プログラムでは、被災地と国内外のイベント会場をインターネットで中継し、緊急時に有効なICT活用方法に関する情報交換などを行いました。具体的な事例を紹介します。

被災地で従業員がボランティア

「One NECとして被災地で直接貢献したい」という従業員の声を受け、被災地で汚泥や瓦礫の撤去、ごみの積み出し、掃除や片付けなどを行うボランティアプログラムを実施しています。1回目の7月22日、岩手県陸前高田市沿岸部での活動には、31人が力をあわせ、被災地の方から「私たちの海岸が、元に戻ったようでうれしいです。ありがとう」と、感謝の言葉をいただきました。その後も定期的に、地域を広げて活動を継続しています。

7月22日、岩手県陸前高田市でのボランティア

避難所でのコミュニケーションを支援

NECグループは、UQコミュニケーションズ(株)と協力して、宮城県石巻市および多賀城市の避難所で、高齢者や子どもを含む避難所生活者が、自治体からのお知らせや原発情報、天気情報などの入手や、自治体に簡単に要望・相談を発信できる仕組みを、5月下旬から無償で構築しています。

具体的には、被災者や自治体のニーズを吸い上げ、クラウドサービスによる「被災者支援ホームアプリ」を搭載した多機能携帯端末「LifeTouch」と、高速無線LANルーターを提供し、機器設置と端末利用のサポートを行いました。今後もこの活動の範囲を広げ、継続的に支援していきます。

避難所に設置した「LifeTouch」
避難所に設置した「LifeTouch」
「LifeTouch」画面イメージ
「LifeTouch」画面イメージ

仮設住宅でのコミュニティ形成を支援

仮設住宅にお住まいの方々のコミュニケーションを支援するため、超小型送信ユニットなどを使って、地上波デジタルテレビの空きチャンネルを利用するコミュニケーションの仕組みづくりを進めています。これによって、自治体や公共機関からのタイムリーな情報共有と、住民同士のコミュニティ形成が可能になります。6月、7月に宮城県亘理町にて、NPOや地元の方々と協働したテストは成功し、実用化に向けた取り組みを進めています。

仮設住宅でのテスト
仮設住宅でのテスト
亘理町での設置
亘理町での設置

従業員・家族の安全を確保

NECは2007年から、「携帯電話およびパソコンからの電子メールによる確認」と「社内の各フロアに設置されているIDカードリーダーに社員証などをかざすことによる確認」という2つの安否情報を一元的に管理するシステム「One NEC事業継続支援システム」を導入しています。

地震発生後、このシステムを活用し、被災地のみならず、首都圏の事業場・拠点に勤務する従業員の安否を速やかに確認しました。

また、被災地の従業員および家族1万3,000人の当面の生活物資の確保を行い、安心して早期事業復旧活動に携われるように、3月12日に非常食、飲料水、日用品などの生活物資の輸送を開始しました。

NECグループ一丸となった事業継続と節電の取り組み

対策本部の立ち上げとNECグループ内の情報収集・共有

NECグル-プとしては、30社77拠点が被災しました。

東北地方の5工場は、概ね震度6弱〜6強という激しい揺れで、人的被害はなかったものの、生産ラインが破損し、電気、水道、ガスなどの工場内インフラが遮断されたため、各工場とも生産の停止を余儀なくされました。また、従業員の通勤の足が奪われ、さらに、壊れた道路や通行制限、燃料不足などは物流網にも影響を与え、工場や倉庫内にある製品の出荷や部材調達などもできなくなりました。

この未曾有の災害に対し、当社は、地震発生9分後には、社長を本部長とする「NECグル-プ中央事業継続対策本部」を立ち上げ、中央事業継続対策計画に基づき、事業復旧活動を開始しました。同時に、ビジネスユニット(BU)別事業継続対策本部、各事業場災害対策本部を立ち上げ、各対策本部が有機的な連携のもとで、事業復旧活動を実施しました。

また、被災地各社の被災状況およびインフラ関係、周辺地域の被災状況について逐次情報を収集し、「One NEC事業継続支援システム」を活用して関係者にリアルタイムで情報発信を行いました。

被災地の生産と物流の復旧

東北地方の各工場では、従来の生産革新活動や過去の震災の経験をもとに、耐震の処置を施していたことによって、生産ライン・設備の被害は軽微で済みました。それに加えて、従業員の懸命な努力の結果、3月23日までには、被災した全工場において生産を再開できました。

物流については、担当するグループ会社が、東北地方内に拠点(HUB)を置いて、順次、緊急物流網の構築を進めていきました。また、被災した物流拠点については、関東の物流拠点がその機能を代行し、最終的に物流網は、各工場の生産再開と同時期に復旧しました。

このように、今回の震災では、日ごろシミュレーションを繰り返していた事業継続計画(BCP)をタイムリーに実行することで、事業を継続することができました。一方、想定されるリスクをはるかに越えた震災であったため、課題も多く見えてきました。今回「想定外」であった点は、被災地が広範囲であったため、各工場・物流・サプライヤー、販売や保守拠点も同時に被災して、復旧にさまざまな問題が発生したことにあります。また大きな余震が続き社会インフラにも影響がでて、お客さまへの製品の提供が正常化するのに時間を要したこともあげられます。これら明確になった課題については、早急に対応策をまとめ、BCPの見直しに反映させていきます。

NECネットワークプロダクツ(株) 一関工場の3月14日被災状況
NECネットワークプロダクツ(株)
一関工場の3月14日被災状況
NECネットワークプロダクツ(株) 一関工場の3月23日生産再開の状況
NECネットワークプロダクツ(株)
一関工場の3月23日生産再開の状況

社内情報システムにおける対策

社内情報システムへの被害は、これまでにとってきた以下のような対策によって軽微にとどめることができました。重要な社内情報システムは、すでに耐震対策を施したデータセンターに設置してあり、サーバーやイントラネットの稼動監視体制も集中化していました。東京電力の停電対象地域にあるデータセンターもありましたが、非常用発電機によって情報システムやサービスは稼動を継続しました。

また、震度5強以上を想定した社内エスカレーションルールの策定と、ルールに基づく訓練も定期的に実施されており、今回の震災においても日ごろの訓練の成果を上げ、IT稼動状況の把握と復旧を迅速に行いました。

震災発生直後は、被災者および首都圏公共交通機関の停止による出勤困難者の安全な就業のため、「ソフトウェアシンクライアントサービス」(通常のパソコンをCD-ROMから起動するだけでシンクライアント化する仕組み)を従業員へ速やかに提供し、在宅による業務遂行を可能にしました。

夏期節電のための取り組み

政府の「夏期の電力需給対策」に基づき、NECグループも、東京電力・東北電力管内で使用最大電力の15%削減(2010年度比)に取り組むため、従来の各種節電施策に加え、以下の施策を実行しています。

1つは、代替エネルギーの利用です。CO2排出をチェックした上で、電気の代わりにガスなどのエネルギーを利用しています。特に空調などで大きな節電ができると見込んでいます。

もう1つが東京電力管内での輪番休日です。生産への影響を最小限にとどめるため、一部の工場は除外しますが、オフィスを中心に各拠点を4グループに分け、1週間×2回の輪番休日を7〜9月の間に実施しています。輪番休日の分は、祝日などの振替えを実施し、もともとの勤務時間の削減はせず、お客さまや社会にできるだけご迷惑をかけない体制をとっています。また、シンクライアントなどを活用して、輪番休日でない拠点での勤務も可能としています。

さらに、電力使用量の「見える化」のため、イントラネットに現状の電力使用量をほぼリアルタイムで掲載し、従業員全員への注意喚起に役立て、最適な節電施策をとるようにしています。

また、不測の事態に備えた計画も策定しています。緊急時にはこれ以上の削減を目指し、非常用発電機の運転や設備の緊急停止などを行います。

「One NEC」で復興に貢献

NECにとって、「安全・安心な社会づくり」はCSR経営における重要なテーマの一つです。

「NECグループビジョン2017」に掲げる「人と地球にやさしい情報社会」の実現に向けた使命・志に基づき、「事業継続」と「エネルギー対策」の観点から、日本の復興に向けてグループをあげて取り組んでいます。

「事業継続」では、NECグループのITとネットワークにおける強み、自社の経験を活かし、今後の災害に備えた、対策計画の立案から、通信インフラの再整備、ネットワーク経由での情報システムの利用を可能にするクラウドサービスの構築・運用まで、ICTによる安全・安心な社会の実現に積極的に取り組みます。また、「エネルギー対策」では、自動車用リチウムイオン二次電池の技術をベースにした蓄電システム、商業施設やビル・住居でのエネルギーマネジメントシステム、省電力サーバーなどの省エネルギー製品などで貢献していきます。

今後NECは、東日本大震災の復興に向けた活動の経験をベースに技術・ソリューションに磨きをかけ、エネルギー効率の高い、安全・安心な街づくり、高性能センサーとクラウド技術などを活用した高精度な防災・減災のための情報の提供など、「人と地球にやさしい情報社会」の実現に向けて、「One NEC」で貢献していきたいと考えています。

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