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  大和証券様では、全社を挙げてシンクライアント導入を進めています。第1フェーズでは、2007年8月、東京・大手町の本社で100台の利用を開始。第2フェーズとして、2007年11月、本社のパソコンすべてを、仮想PC型シンクライアント「VirtualPCCenter」と、シンクライアント端末「US100」に入れ替えました。今後の第3フェーズでは、全国117支店の1万台にのぼるパソコン全機をシンクライアントに移行していく予定です。シンクライアントへの移行によって、変化への即応、TCO削減、セキュリティ強化、事業継続性強化など、一石五鳥も六鳥もの複合的な効果が期待されています。

事業環境・課題・導入の目的

ビジネスの変化へ迅速に対応できるITインフラの確立に向け、一緒になって取り組めるパートナーを探していました。

証券会社の勝ち残りには変化に即応できるITインフラが不可欠

鈴木  孝一  氏
大和証券株式会社
取締役  業務・システム担当
鈴木  孝一  氏

  顧客ニーズ、法令・制度、海外動向――。証券会社を取り巻く環境は激しく変化しています。リテール証券会社である大和証券様は特に、変化へスピーディーに対応していくことが、これからの証券会社の勝ち残りを左右するという強い信念を持っていました。

  「変化へ迅速に対応するためには、ITも変化に対応できるものにしておかなければなりません。そこで必要になるのは、アプリケーション開発のスピードだけに着目するのではなく、インフラを抜本的に見直すこと。各自がパソコン端末を『所有』しているインフラ環境では、変化への対応に時間がかかるのは明らかです。集中管理によって、『いつでもどこでも誰でも使える端末』を実現すれば、変化への即応が可能になります。すなわちシンクライアントが、これからの証券会社のITインフラのスタンダードになるという結論に達しました」と大和証券様で取締役を務める鈴木 孝一氏は語ります。

  いつでもどこでも使える端末であれば、会議室に設置した端末で必要なデータを、即、呼び出せるため、意思決定をスピードアップさせる効果が出てきます。また、誰でも使える端末は、保守・運用管理の手間が少なくなるため、TCO削減にも貢献します。

  これに加え、事業継続性(BC)を強化させるという大きな効果も期待できます。災害が発生して1つの拠点の設備がすべて使えなくなったとき、通常は遠隔地のデータセンターだけが稼働していても、業務をスムーズに再開することができません。ところが「いつでもどこでも誰でも使える端末」を使っているオフィスなら、代わりの端末を持ってくるだけで、企業活動をスムーズに再開することが可能です。

ファットクライアント同等の使い勝手を実現した「仮想PC型」

山田  芳也  氏
大和証券株式会社
システム企画部 企画課長 上席次長
山田  芳也  氏

  シンクライアントの導入を決断した大和証券様は、各社の製品を比較検討した上で、NECの仮想PC型シンクライアント「VirtualPCCenter」とシンクライアント端末「US100」の採用に踏み切りました。

  選定理由は大きく2つあります。1つは、「変化に強いITインフラ」という大きな目標を達成するために、一緒に改革・改善を重ねていくという前向きな企業姿勢をNECが持っていたからです。

  「NECはすでにシンクライアント製品を持っていた上に、US100という新製品を開発中で、技術力の素地は十分にありました。けれども、コストや利用の便利さなどの細かい仕様部分で改善してもらいたいことがいくつかありました。シンクライアント導入を真剣に考えているわれわれの要望を満たせば、他の企業のシンクライアント導入の壁も崩せるはず。こうした考えをNECに伝えて、大規模シンクライアントシステムの構築に取り組んでもらったのです」と鈴木氏は語ります。

  NECはこうした想いも受けながら、SANブート起動のサーバを開発したり、サーバ1台で稼働できるクライアント台数を従来の20台から1.5倍の30台に増やすなど、より安心・安全・快適なシステムへと改善していきました。

  そして2つ目が、NECのシンクライアントが「仮想PC型」であるという技術的なポイントです。VirtualPCCenterは、VMwareの仮想化基盤ソフトを核にした仮想PCサーバと、NECが開発した統合運用管理ソフトウェア 「SigmaSystemCenter」を搭載した管理サーバからなる仕組みです。仮想PC型は、利用者ごとに異なるPC環境をサーバ上へ仮想的に集約して稼動させることができる上、CPUなどのサーバ資源を利用者の負荷に応じて自動的に振り分けることも可能です。

  「社員はそれぞれが個別のアプリケーションを使い、固有のデータを使っています。シンクライアントにしたから一律のアプリケーションを使わなければならないようでは、全社のインフラとして採用することはできません。NECのVirtualPCCenterなら、オフィス製品はもちろんのこと、使用するアプリケーションを利用者ごとに設定できる点を評価しました」と鈴木氏は語ります。

システム概要・導入効果・将来展望

2011年までに約1万台の入れ替えを予定。“所有”するパソコンから“利用”するシンクライアントへの意識改革が、今後の可能性を広げます。

当初予定より6ヵ月前倒しで本社へ1200台を導入開始

  大和証券様は、2008年春に完成予定の東京駅八重洲口の北側高層オフィスビルへ、本社を移転する計画です。当初は、移転作業と並行して段階的にシンクライアントの導入を進め、2008年4月をメドに本社のインフラ移行を完了する予定でした。しかし、シンクライアントであれば移転作業そのものが容易になる上、移転時にデータの破損や漏洩といったリスクを低減できるというメリットに気づき、本社への導入を6ヵ月前倒しにすることになったのです。

  「開発中で、しかも、ソフト面やハード面で最先端を追求した製品を、6ヵ月も前倒しで配備するのは、並大抵の苦労ではありませんでした。われわれも大変な思いをしましたが、NECもよく頑張ってくれたと本当に感謝しています」と、システム企画部の企画課長・山田 芳也氏は話します。

  こうした苦労の甲斐もあり、予定どおり2007年11月に本店のシンクライアントシステムが稼働開始しました。これで、今後の本社移転を柔軟に実施し、移転したその日から各自が必要なアプリケーションとデータをいままでどおり使える基盤を整えることができました。

シンクライアント化により、管理精度の向上と利用者の利便性向上の両立に成功

  大和証券様では、シンクライアント導入によって、移転を含めた変化への対応の容易性や意思決定のスピードアップ、TCO削減、および事業継続性を備えたIT環境の実現に向けて大きく前進しました。しかも、利用者からは、「レスポンスが速くなった、特に起動は劇的に速くなった」という声があがっています。

  「US100の電源を切って帰宅し、翌日出社して電源を入れると、昨日の作業途中だった状態がそのまま画面に表示されます。おかげで業務の生産性も向上しています」と山田氏。また、US100にはディスクが入っておらず、静音性に優れている点も、エンドユーザーから好評です。発熱量も低いため、環境にも配慮したITインフラを実現することができました。

  システム管理部門では、保守管理の手間も大幅に軽減しました。今使っているシンクライアント端末が故障した場合も、別のシンクライアント端末を使って業務を続けられるため、システム管理者が現場へ飛んでいく必要がありません。アプリケーションも、使用する利用者またはグループに対して、センターからの一括インストールを実現しています。

  特に大きく工数が削減できたのは、セキュリティ管理作業です。証券会社は機密情報を扱っているだけに、従来は、1台ずつシールを貼って、クライアントPCが置かれている位置や格納されているデータの内容まで正確に個別管理をするなど、大変な手間がかかっていましたが、データを一切格納しないシンクライアントならこうした個別管理作業が不要です。

  「動画やVoIPも必要になった時点でタイミング良く追加利用に切り替えることができます。NGN環境での次世代技術にも迅速に乗り換えられる点もシンクライアントの良さでしょう」と鈴木氏は満足感を示します。

  大和証券様では、今後2011年ごろまでに、全国117の支店のネットワーク強化と並行して、合計約1万台のクライアントパソコンのシンクライアント化を進めていく予定です。

  「所有するクライアントから、利用するクライアントへ」。大和証券様へ導入された仮想PC型シンクライアントシステムVirtualPCCenterは、数年後には、日本企業全体のスタンダードシステムになっているかもしれません。

大和証券様のシステム構成イメージ
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(2007年11月29日現在)
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