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株式会社ファンケル
カスタマーサービスユニット
物流推進グループ
グループマネージャー
永坂 順二 氏

株式会社ファンケル
システム・業務改革ユニット
事業サポートシステムグループ
高橋 和夫 氏
物流分野とRFIDでの実績、パッケージソリューション「EXPLANNER/Lg」を用いた提案を評価して倉庫管理システムの構築をNECに依頼しました。

株式会社ファンケル
システム・業務改革ユニット
事業サポートシステムグループ
遠藤 理央 氏
NEC主導による弊社既存システムと倉庫管理システムの連携テストのおかげで、現場業務をストップさせるようなトラブルは発生していません。
「肌トラブルの“不安”に悩む女性を助けたい」という想いのもと、無添加化粧品を提供し続けているファンケル様。工場で製造したばかりの「鮮度の高い」化粧品は、多くの女性から高い支持を獲得しています。近年では、化粧品だけでなく、サプリメントをはじめとする栄養補助食品、発芽玄米、青汁などの健康食品、肌着、雑貨などにも業容を拡大。次いで販売チャネルも通信販売を中心に、直営店、量販店、卸売り、海外輸出へと広がっています。
しかし、事業が成長する一方、それを支える物流の仕組みの面では課題もありました。
「取扱商品や販売チャネルが増えるごとに緊急避難的に物流センターや倉庫を拡充してきた結果、関東に8つの物流拠点を構えるまでになっていました。それぞれが安全在庫を持つため、在庫量が増加するとともに、拠点間で商品を融通し合う際の輸送コストなど、物流コストが肥大化していたのです」と同社の永坂 順二氏は説明します。
また、コストの面では、紙文書の多さも問題でした。お客様情報や商品、注文数量などが記載されたピッキングリストは、すべて紙にプリントアウトして利用していたため、紙の使用量も膨大なものとなっていたのです。
このような課題を解決するため、同社は物流体制の見直しに着手。2006年3月に社内プロジェクトを発足しました。
まず取りかかったのが、ビジョンを明確にすることでした。「当社の物流のあるべき姿を1年ほどかけて徹底的に議論し、ビジョンを策定していきました」と永坂氏。議論の末、再構築のポイントには、拠点の統合、倉庫管理システム(WMS ※1)の導入、そして、業務効率と正確性、物流スピードを向上するためのRFIDの導入などが据えられました。RFIDには、社会的な関心が高まっている環境へ配慮し、ペーパーレス化を推進するためのキーコンポーネントとしての期待も込められました。
その上で、定めたビジョンを実現できる体制の構築に着手。「ビジョンに賛同し、スケジュール通りにプロジェクトを完遂してくれるベンダーをコンペで選定することにしたのです」と同社の高橋 和夫氏は話します。
ベンダー選定は、物流センター運用(3PL)、マテハン(※2)構築・運用、倉庫管理システム構築と大きく3分野に分けて行われましたが、このうち、倉庫管理システム構築と一部のRFID機器導入担当ベンダーとして選定されたのがNECでした。
「物流分野とRFIDの実績、物流センター向け業務パッケージ『EXPLANNER/Lg』を用いた提案を評価しました。限られた時間で8カ所の拠点を1カ所に集約するのですから失敗は許されません。パッケージをベースとした提案であれば、ゼロからの開発とは違って、期日内に稼働できる確実性が高いと判断しました」(高橋氏)。
※1:WMS:Warehouse Management Systemの略で、倉庫管理システムと訳される。一般に入庫や出荷を管理する。
※2:マテハン:マテリアルハンドリングの略。ここでは物品の搬送やピッキングの仕組みを指す。
ファンケル様の新物流センターは、2008年8月に稼働を開始しました。通信販売利用のお客様や店舗への商品発送など、様々な物流機能が1カ所に集約されています。
センター内での商品ピッキングの仕組みは以下の通りです。
例えば、通信販売では、まずラインのスタート地点で、オーダー情報及び搬送ライン分岐情報をプラコン(※3)に装着されたRFIDタグに書き込みます。その情報がラインを流れる途中で随時読み込まれ、指定されたラインに搬送され、商品のピッキング指示が出されます。その指示に従い、現場作業者は商品をピックアップするのです。ラインの終点でも再びRFIDタグを読み込み、オーダー内容とピッキングされた商品をチェック。問題がなければ、梱包され、発送へと至ります。
こうした仕組みの中核を担っているのが、大規模センターにも対応可能なNECの物流センター向けWMSソリューション「EXPLANNER/Lg」をベースに開発した倉庫管理システムです。倉庫管理システムが、既存の受発注システムやERPなどと連携し、入荷、出荷、在庫管理、棚卸し、マスタ管理、出荷検品などのほか、マテハンシステムとのインタフェースを司るなど、物流に関する情報を統合的に管理しているのです。
ファンケル様が取り扱う商品アイテム数はおよそ2,500アイテムにものぼりますが、統合管理により、高精度な先入れ・先出しを実現。常に「鮮度の高い」商品をお客様のお手元にお届けできるようになりました。また、同じ商品でも、販売チャネルによって出荷単位が異なり、個品で管理する場合と箱やケースで管理する場合とがありますが、どの販売チャネルに対しても先入れ・先出しが徹底されるような工夫も施されました。
さらに、倉庫管理システムは、従来人手で行っていた様々な業務ノウハウをシステム化することに成功しています。「厳しい要望にも、高いモチベーションで取り組んでもらえ、非常に感謝しています」(高橋氏)。
一例を挙げると、お客様から寄せられたご要望に対応する際、これまではピッキングリストにその内容が「作業指示」として印字され、それを作業者一人ひとりが目で見ながら対応してきました。しかし、今では、倉庫管理システム上でご要望を一元管理した上で、作業者に指示を出せるようになっています。
また、ピッキング作業を集品ラインで行うか、ライン外で行うかは、熟練者がピッキングリストを見て判断していましたが、現在は、倉庫管理システム上で情報を分けて処理しており、判断作業を行う必要がありません。
加えて、ラインのスタート点及びエンド点でWMSが直接制御しているRFID機器の導入についてもNECが担当しました。
機器の選定に当たっては、バーコードとRFIDの両方に対応した無線ハンディターミナルが必要になるなど、当時としては非常に困難な課題もありましたが、ファンケル様の専用の機器を独自対応するなどしています。
テストのフェーズでもNECが中心となってテストを実施。「倉庫管理システムと既存システムとの連携を検証するため、疑似環境で疑似的なデータを作成し、それを処理させるなど、様々な方法で連携を確認しました。NECの技術力のおかげで徹底したテストが行えたものと考えています。おかげで、2008年8月の稼働から現在まで現場業務をストップさせるようなトラブルは発生していません」と同社の遠藤 理央氏は、NECの対応を高く評価します。
※3:プラスチックコンテナの略。ファンケル様では、注文1件ごとにラインに流すプラスチック製のカゴを指す。
倉庫管理システム(WMS)と他システムとの連携イメージ
ファンケル様 新物流センターの様子
新物流センターは、当初、課題として掲げていた、お客様満足度の向上、物流コストの削減だけでなく、先入れ・先出しによる「鮮度の高い」商品の発送にも貢献しています。また、ファンケル様の当日出荷率は78%から91%へと向上。配送ミスも従来の1/2以下に低減しました。出荷ミスについては、さらに数分の1にまで削減できる見通しです。
加えて、ご注文の内容により複数のセンターから出荷されたり、個口が分かれて配送されていたものを一括で配送できるようになった点は、お客様の満足度の向上につながっています。
センター計画時に標榜したペーパーレス化については、ピッキングリストをRFID化したことなどが功を奏し、年間で740万枚、約30トンの用紙を節約できる見通しが得られました。また、こうした取り組みの結果、年間で130トンのCO2削減を見込んでいます。
「当社はグループ企業を含めると、まだまだ複数の倉庫や物流センターを抱えています。それほど遠くない将来に、複数拠点を総括的に管理できる物流体制を敷いていく計画です。当然、倉庫管理システムは必須ですから、NECの力を借りることになるでしょう。またRFIDの利用範囲もさらに広げていきたいと考えています。その面でもNECの開発や提案には期待しています」(永坂氏)。
今後もNECでは、RFIDに代表される各種IT・ネットワーク技術、豊富な経験で培った物流業界の業務、システムノウハウを駆使して、ファンケル様のニーズを満たすべく、継続的なサポートを続けていく考えです。
NEC
流通ソリューション事業部
主任
武藤 秀喜 氏
ファンケル様が構築した新物流センターは、規模の大きさ、採用した技術の新しさなど、あらゆる面で非常に先進的な施設です。それだけに、約200台のRFID端末機器を選定する際には、求められる機能や、これほどの大規模システムに採用された実績を持つ製品が少ないという事情がありました。
そこで、当社は、独自で機器を評価し対応することを決断。そうして導入されたのが、バーコードとRFID、両方に対応したハンディターミナルやRFIDタグへ情報を書き込むだけでなく、リライタブル印字が可能な機器でした。
また、「物流」と一言で言っても、取り扱う商品や販売チャネルの種類などによって、管理する情報、商品の流れは大きく変わります。今回構築した倉庫管理システムも、「EXPLANNER/Lg」をベースに、RFIDなどの最新技術や複数の販売チャネルへの対応、複雑な他システム連携など、ファンケル様のご要望に対してNECグループの技術力を結集したシステムとなっています。
今後もRFIDや物流分野で培ったノウハウを活かし、ファンケル様の物流の効率化やお客様サービスの品質向上に貢献していく考えです。
| 創業 | 1981年8月 | |
|---|---|---|
| 本社 | 神奈川県横浜市中区山下町89-1 | |
| 事業内容 | 無添加化粧品のほか、栄養補助食品、発芽米、青汁、アパレルなどの製造・販売 | |
| 売上高 | 993億円(2008年3月期) | |
| 従業員数 | 693名(2008年3月31日付け、パート・委託は除く) | |
| URL | http://www.fancl.co.jp/ | |
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(2009年3月31日)
今回の物流拠点統合を皮切りに、グループ企業まで一括管理できる物流体制を目指しています。これからもNECの提案と技術力に期待しています。