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コンタクトセンター端末のシン・クライアント化でセキュリティ強化、TCO削減、CS向上を推進

  NTT東日本グループのISP・ぷららネットワークスは、サービス、サポートの充実ぶりとブロードバンド会員比率の高さで知られる。
  同社は、2005年3月にSIPサーバとシン・クライアントによる新コンタクトセンターシステムを導入した。
  その狙いは、会員情報管理のセキュリティ強化はもとより、業務効率化、コスト削減そしてCS向上と多岐にわたる。
  これにより同社は、業務改革を推進し、サービス、サポートをさらに充実するという戦略の布石を打つ業務基盤を実現している。

ブロードバンドISP事業は、セキュリティ対策がサービスの大前提

写真:永田 勝美 氏技術開発部長
兼ネットワーク管理部長
永田 勝美 氏
  ブロードバンド回線の普及が急激に進み、インターネット常時接続利用者が大半になってきたことを背景に、ISP事業者は、よりコモディティ(日用品)化したサービスの提供を目指している。だが、サービスの高度化・大衆化は、セキュリティリスクをより高めることにもなる。
  株式会社ぷららネットワークス(以下、「ぷらら」)の永田氏は、次のように語る。
  「“お客様第一主義”を掲げる『ぷらら』は会員数190万のうちブローバンド利用者が145万という高い比率です。これは、ブロードバンドを活用したサービスのさらなる充実を図る当社のISP事業を推進するには有利です。しかしそれだけセキュリティリスクも高くなると考えており、ネットワーク上の脅威からお客様を守るセキュリティ対策をサービスの大前提にしなくてはなりません。また、IP技術を活用した新事業であるIP電話・映像配信においては私どもが構築したサービス基盤を他のISP事業者にも提供する“プラットフォーム型ビジネス”を展開しています。こうした面でも充分なセキュリティ対策を実施することが社会的責任でもあります。」

「UNIVERGE SV7000」とシン・クライアント1000台による大規模なシステムを構築

  すでに「ぷらら」は、セキュリティに関する取り組みとしてISMS適合性認証やBS7799-2認証、プライバシーマークなどを取得しており、さらに、迷惑メール対策などに積極的に取り組むことで誰もが安全・安心に使えるインターネット環境づくりをすすめている。
  こうした配慮により、先ごろ実施されたJ.Dパワー社のCS調査で、同社はトップISPとの評価を得る結果に繋がった(「加入後半年以上」の利用者部 門)。だが、永田氏らは、充分なセキュリティ対策をベースとして、さらなる業務改善、CS向上に繋がるシステム強化の必要性を感じていた。
  「過去の事件・事故からリスクを分析した結果、サポート接点であるコンタクトセンターのセキュリティ強化が最重要だと判断しました。折から個人情報保護 法施行なども控えており、オペレータの入退室管理や記録メディアの持込禁止を実施しましたが、根本的な施策として、コンタクトセンターの端末に一切のデー タを残さない仕組みにすることを考えました。それが“シン・クライアント”化でした。」
  この導入方式には数種あるが、同社が採用したのは、「画面転送方式」と呼ばれるもので、OSもアプリケーションもサーバ側が持ち、処理データもサーバに 返すため、端末側にはまったくデータが残らないやり方である。そのシステム構成は、NECのSIPサーバ「UNIVERGE SV7000」とサン・マイクロシステムズ株式会社の「Sun Ray」を採用し、オペレータの個人認証はスマートカードで行う。配備されるクライアント数は2005年6月末までに約1000になり、シン・クライアン トによるコンタクトセンターシステムとしてはアジア最大規模である。

業務アプリケーション刷新による業務効率化、コスト削減、モビリティ向上も狙い

写真:鈴木 肇 氏技術開発部
マネージャー
鈴木 肇 氏
  「今回のシステム導入の狙いは、セキュリティ強化だけではありません」と語るのは、同社技術開発部の鈴木氏である。もっと多岐にわたる効果を狙った施策だという。
  「たとえば業務の効率化です。顧客対応用の業務アプリケーションを刷新し、処理効率を上げたいと考えており、このアプリケーション導入と新システム移行のタイミングを合わせました。これにより、とくに履歴投入や資料郵送依頼などの後工程処理がシームレス化され、コール処理時間短縮と応答率の向上を実現しました。
  また、TCO削減効果も期待しています。初期投資さえ行えば、一括集中管理によりメンテナンスが容易になる等、保守費用は限りなく削減されます。端末を増設する際も普通のPCに比べると大幅に安くすみますので、運用コストが大幅に削減されることが、シン・クライアント化の魅力ですね。
  さらにモビリティ(可動性)向上も狙いの一つです。フリーアクセスで、どの端末を誰が使っても良いので、コール数の変動に合わせたデスク・人員の配置が可能になります。」(図)


図:シン・クライアント導入による「クライアント統合ソリューション」のメリット

将来的な機能拡張にも応えられる業務基盤を実現

  「今回のシステムは、現在のコールセンター機能の改善だけでなく、将来的な機能拡張も考えています。」と永田氏は語る。
  「狙いは、業務効率化による応答率の向上だけでなく、応答品質の向上に繋げることです。具体的にはIVRやCTIとの連携を計画しています。それも、自分たちならではの独自の工夫を加えたい。普通はコールに対する自動案内に使われるIVRですが、これを応対終了後のアンケート依頼に使ってみたいと考えています。
  また、IPセントレックス化も進めて、各拠点のデスクの連携を図り、音声通話の集中制御ができるようにしたいですね。
  今回のシン・クライアント化では、こうした将来構想に応えられる業務基盤を目指したのです。
  NECに対しては、限られた時間の中で、必要となる検証作業も精力的かつスピーディに進め、複数ベンダーをコントロールしてくれた力量とパートナー・マインドに感謝しています。今後も、コンタクトセンターを効果的に活用するCRMの新たなソリューションを提案してくれることを期待しています。」(永田 氏)

  ブロードバンド時代をリードするISPとして、またIP活用のプラットフォームベンダーとして、「ぷらら」の進化は急速に進められている。NECがサポートした今回のシステムは、コンタクトセンターを顧客起点経営の戦略拠点と位置づけた同社のアクティブな姿勢が貫かれたものであると言える。

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(2005/10/7掲載)

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