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東京工業大学 学術情報センター 様 東京工業大学 学術情報センター 様
世界第7位、国内最高速のスーパーコンピュータをAMD Opteron(TM)搭載 Sun Fire(TM) x64サーバによるグリッド・コンピューティングで実現
 国立大学法人 東京工業大学において、2006年4月3日より稼動が開始された国内最高速のスーパーコンピューティング・グリッド・システム『TSUBAME(Tokyo-tech Supercomputer and UBiquitously Accessible Mass-storage Environment)』。
 その理論演算性能は約85テラフロップス(毎秒85兆回の浮動小数点演算を実行)を達成し、2006年6月27日付けで公表された世界のスーパーコンピュータのランキングTop500(R)によるLinpack benchmarkで、世界ランキング第7位、国内最高速のパフォーマンスを記録している。
 また、『TSUBAME』の価値は、パフォーマンスだけにとどまらない。前述のように、グリッド・コンピューティングにより構築されたスーパーコンピュータという意味で、非常に意義深いものとなっているのだ。
PCクラスタ型で、グリッド・コンピューティング資源となる『TSUBAME』。 東京工業大学のシステム要件を満たし、わずか半年でシステム設計を完了させたSun Fire x64サーバ。 陳腐化するスパコンではなく、進化するスパコンへ。将来の国家プロジェクトの礎としても注目。
シングル・サインオンで、普段使っているパソコンがそのままスパコンに。学生のスキル向上に貢献。 スパコンとしては最大級の記憶容量により、精度の高いシミュレーションを実現。 研究室のパソコンで動くアプリケーションが、そのままスパコンで動くという価値。
 
PCクラスタ型で、グリッド・コンピューティング資源となる『TSUBAME』。
東京工業大学 学術国際情報センター 教授/博士(理学)松岡 聡 氏
東京工業大学
学術国際情報センター
教授/博士(理学)
松岡 聡 氏

 『TSUBAME』は、PCやビジネス・サーバで広く利用されているx86互換CPUを活用したPCクラスタ型のスーパーコンピュータ(スパコン)として10,480CPUコア数を誇っている。
 では、従来の専用設計のスパコンではなく、なぜPCクラスタ型のスパコンなのか、また、なぜそれを中心としてグリッド・インフラなのであろうか。こうした背景について東京工業大学 学術国際情報センター 教授(理学博士)松岡 聡氏は次のように語る。
 「もともと、旧帝大といわれる大学には情報基盤センターというものがあり、大学内はもちろん、大学間でも専用設計のスパコンを利用していました。しかし、専用設計のスパコンというものは、非常に専門性が高く、専用のアプリケーションが求められていました。 つまり、特定のユーザしか利用できなかったのです。一方で、CPUの高性能化などにより、今まで専用設計のスパコンでしかできなかったようなことが、PCのクラスタ・コンピューティングでできるようになってきました。PCベースでスパコンを構築できるということは、Microsoft WindowsやLinuxなど、多様なOSに対応できるということであり、今までのように少人数だけが利用するものでなく、大人数で利用できるものになるということです。また専用設計のコンピュータは非常に高額で国家予算レベルのプロジェクトなら問題ないのですが、大学の予算レベルでは、コスト的に難しい面もあります。そうした面を考慮し、『TSUBAME』は、“みんなのスパコン”をコンセプトにしたPCクラスタ型のスパコンとして、キャンパス全域から共通に使えるグリッド・インフラの中心的存在となるべく開発が進んでいきました。」

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東京工業大学のシステム要件を満たし、わずか半年でシステム設計を完了させたSun Fire x64サーバ。

 x86互換のPCサーバといわれるものは、世の中に数多く存在している。そうした中で、何故Sunのx64サーバ(x86互換の64bitサーバ)であるSun Fire X4600 が選ばれたのだろうか。
 松岡教授はこう語る。「我々は、コンピュータの中身のことは良く分かっていますし、パーツを買ってくれば自分でつくることもできるわけです。しかし、85テラフロップスのような演算処理を行うスパコンではそうはいきません。もともとアグレッシブなシステム設計だったので、ゼロから一緒に設計できるパートナーシップ、x86を使うにあたりコモディティでありながらも信頼性が高いことなど、こちらの技術要件に応えてくれるかどうかが重要だったのです。」
 これはSunのx64サーバが、CADなどの設計環境やアプリケーション開発環境で多くの支持を集めている要因と重なってくる。Sunは、ロジック・ボードなど、多くを自社で設計しているが、多くの会社はサードパーティの部品を組み合わせて利用している。これは、万が一、不具合が出た時の検証などの際、大きな差となってあらわれるのだ。信頼性を確保するためのベースが違うといって良い。また、Sunの技術的な対応について、松岡教授はこう続ける。
 「Sunは、性能目標に対するレスポンスが良く、アメリカでx64サーバの開発を指揮しているSunの創始者の一人Andy Bechtolsheimとも直接コミュニケーションすることができましたし、綿密なやりとりのもとで、スムーズに設計/開発を進めることができました。 従来の専用設計のスパコンと比較して、開発期間も大幅に短縮できました。」開発期間という意味では、専用設計のコンピュータが3年から5年の開発期間を有するのに対し、Sun Fire X4600を活用した今回の『TSUBAME』は、システム・インテグレーションを担当したNECと共にわずか半年でシステム設計を完了し、実装も1〜2ヶ月で行ったという。地球シミュレータ構築・運用技術や大規模Linuxおよび東工大キャンパス・グリッド・システムの構築・運用技術におけるNECの実績が、短期間のシステム構築の実現に貢献した。
 では、気になる信頼性はどうだろうか。「内部設計のマシンで企業の基幹サーバに利用されている実績があるだけに、信頼性も高いと思います。実際に、超並列コンピューティングのテストによく用いられ、非常に高い負荷をかけるLinpackと呼ばれるベンチマーク・テストにおいて、十数時間にわたって連続演算を行った実績があります。同等規模の他のスパコンでは、Linpackテストの完了に必要な安定性を得るまでに半年以上かかるケースもよくあり、前例のない快挙です。」

100テラフロップス級スーパーコンピューティングが必要とされる分野

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陳腐化するスパコンではなく、進化するスパコンへ。将来の国家プロジェクトの礎としても注目。

 松岡教授によると、グリッドによるスパコンの構築は、さらに大きな可能性を秘めているという。
 「今までの専用設計のスパコンは、同じ仕樣のものを少なくても6年くらいは使い続けなければならず、その間に陳腐化してしまうわけです。しかし、クラスタ型の構成をとったり、あるいはそれらを接続したグリッド・インフラ全体としてみれば、計画的かつ容易に性能を上げていくことができる、理想的なスーパーコンピューティング環境といえます。」
 松岡教授は、国家レベルで構築されるグリッドのミドルウェアなどを開発するNAREGIプロジェクトのサブリーダでもあり、かつスパコンの専門家として、様々なプロジェクトでアドバイザ的な役割を果たしている。例えば『TSUBAME』に利用されている各サーバには、クリアスピード社のアクセラレータが搭載されているが、これはより多くの人が同時にシステムを利用しても効率よく演算を行うことができるようにするためだ。「単純な演算をアクセラレータにまかせることで、よりコンピューティング・パワーを必要とする演算にCPUを回せるようになり、システムの効率が高くなります。」と松岡教授は語っている。近い将来、『TSUBAME』で蓄積されたノウハウが国家レベルのスパコンやグリッドのインフラに活かされる日がくるかもしれない。

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シングル・サインオンで、普段使っているパソコンがそのままスパコンに。学生のスキル向上に貢献。

 もちろん『TSUBAME』は、「みんなのスパコン」というコンセプトなしでは語れない。松岡教授によると、今までのスパコンは学生には敷居が高いものだったようだ。
 「今までの専用設計のスパコンは専門的なアプリケーションが必要で利用する人間にも専門的な知識が必要でした。PCでいいやというユーザも多く、なかなかスパコンを使う人も増えなかったのです。『TSUBAME』は、LinuxやMicrosoft Windowsなど普段学生が使っているパソコンとほぼ変わらない環境でスパコンを動かすことができるので、学生のレベル向上にも大きく役立つと思います。」実際に東京工業大学の学生であれば、シングル・サインオン(一度の認証)で『TSUBAME』を利用できる環境になっている。最近のPCが高性能化したとはいえ、大規模計算には必ず並列化が必要となるそうで、学生がそれを利用して経験を積めるのは、大きな意味があるといえる。

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スパコンとしては最大級の記憶容量により、精度の高いシミュレーションを実現。
東京工業大学 学術国際情報センター 教授/博士(理学) 青木 尊之氏
東京工業大学
学術国際情報センター
教授/博士(理学)
青木 尊之 氏
 また、今回のシステムは演算性能面で卓越しているだけでなく、総合メモリ容量21.4テラバイト、ディスク総容量1.1ペタバイトと、記憶容量の面でも最大級であり、そこにはSunの製品が役立っている。既に『TSUBAME』でさまざまなアプリケーションを動かし、研究/開発に役立てている東京工業大学 学術国際情報センター 教授(理学博士)青木 尊之氏はこう語る。
 「今までのスパコンは、計算パフォーマンスに比べて利用できるストレージ容量が少ない面があったのですが、今回の『TSUBAME』は、20テラバイトのメモリと1ペタバイトのディスクなので、85テラフロップスの演算能力に見合った非常にバランスの良いシステムとなっていると思います。実際、計算のスケール値が上がるとストレージも膨大なので、その役割は非常に重要です。」今後は、圧縮技術をどう使っていくかがポイントになっていくと続ける。「例えば、台風のシミュレーションでいうと気流や気圧の変化だけでなく、中にある雲の変化までを同時に計算できるようになるのです。また、メディカルの分野でいうと、今まで太い血管の血流しかシミュレーションできなかったものが、毛細血管の血流まで計算できるようになる。ミクロの変化をとらえながらマクロ的な動きを同時に計算できるようになります。」
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研究室のパソコンで動くアプリケーションが、そのままスパコンで動くという価値。
ペタスケール・インフォマティクスによる「ペタ・グリッド」に向けたロードマップ

 青木博士によると、研究/開発のために自らアプリケーションを開発することが多いとのこと。
 そういった意味で、LinuxやMicrosoft Windowsなど研究室のパソコンで動くアプリケーションがそのままスパコンで動くメリットも大きいようだ。
 「研究室のアプリケーションを使って、計算能力だけをスケールアップできるので非常にメリットを感じています。私は流体力学などの研究をしているのですが、例えば、今まで気泡の変化を可視化するのに、一台のパソコンだと半年もかかるものが半日でできるようになります。また専用のチューニングを必要としていたスパコンと違い、パソコンで動くアプリケーションがそのまま使えるのでアプリケーションの開発も容易になります。」
 最後にスーパーコンピューティング・グリッド・システムに対する今後の期待について、青木博士に聞いた。 「シミュレーションの世界では、ミクロではどんどん細かく、マクロではどんどん大きくスケールが拡大していき、ここまででよいという答えは出ていません。当然、そこにどれだけのコンピューティング・パワーが必要かも分からないわけです。そういう意味で一度つくって終わりではなく、さらに拡張していくことができるスパコンとグリッドが一緒になった意義は大きいと思い ます。また我々は、ダイレクトに社会貢献できる分野で積極的に活用していきたいと思っています。現在も津波/土石流/風力発電/爆発安全解析なシステム概念図どの研究に役立てていますが、写真今後も防災や安全、環境など、さまざまな分野でこの『TSUBAME』を活用していきたいと考えています。」
 『TSUBAME』では、旧システムの約160倍以上の理論演算性能を得たことにより、電磁流体ダイナモ計算による地磁気変動の将来予測/計算化学による生体物質の構造機能予測解析/タンパク質の折り畳み問題へのバイオ・インフォマティクス手法の応用/ナノサイエンス分野におけるカーボンナノチューブのシミュレーションといったさまざまな分野の研究プロジェクトの複雑な問題の解決への活用が期待されている。

※Sun、Sun Microsystems、Solaris、Sun Fire、Sun StorageTek、N1は、米国Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※AMD、AMD Opteronならびにその組み合わせは、Advanced Micro Devices, Inc.の商標です。
※本文中に記載の各社の社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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  国立大学法人 東京工業大学
代表者 学長  相澤 益男 氏
所在地

大岡山キャンパス
 〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1
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 〒226-8503 神奈川県横浜市緑区長津田町 4259
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URL http://www.gsic.titech.ac.jp/
(2006/10/27掲載)
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