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プレスリリース

平成12年7月19日

NEC USA, Inc.

通常の光の速度を超越する光パルスの伝播に成功


NEC北米研究所(社長:ディビッド・ワルツ、本拠地:ニュージャージー州プリンストン)はこのたび、真空での光の速度による光のパルスの遅延に比較し、光のパルスが先に伝播する実験に成功いたしました。今回の実験は、セシウムガスを特別な条件下で設定し、3.7マイクロセカンドのパルス光を長さ6cmのセシウムガス容器に通した結果、光の伝播が通常の0.2ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)の遅延に比べ、62ナノ秒先に進んでいることを測定したものです。

アインシュタインの相対性理論では、一般には「光より早いものはない」と見られております。しかし、この定義は質量のある物質には適応されますが、質量のない電波などにはあてはまらないことは早くから議論されておりました。今回の実験はこの理論が正しいことを証明するものであります。また、セシウムガスを用いた特別な状態を設定したことが今回の実験の成功の鍵となっており、自然の状態で同様の効果を生み出せることではありません。

今回の実験は、セシウムガスで ラマン・ピーク (注1)を近接する2つの波長に設定し、その波長間の屈折率について 異常分散 (注2)を作り出すことによって実現いたしました。また、気温30度における気体状のセシウムを6cmの長さのガラス容器に閉じ込め、1.0ガウスの磁界を光の伝播する方向と平行に設置しました。この結果、光の 群速度 (注3)は、真空状態における光の速度を上回るとともに、マイナスになることを実現しました。光がマイナスの群速度で容器を通過すると、光のパルスは真空状態で同距離を通過したパルスより早く容器の反対側に現れます。また、光速を上回る光の伝播は、光が波でできているとの特性を利用しており、質量をもつ他の物体が同様の現象を起こすことは不可能であります。

NEC研究者は、光の速度を超越するパルスの伝播は、因果律や相対性の原理を覆すものではないと指摘しています。一般的な相対性理論の見方は、「光より早いものはない」というものですが、この理論は質量のある物体だけに限られます。光は質量のない電磁波として捉えられるため、相対性理論に矛盾を与えることなく、特別な環境において真空状態における光の速度より早く伝播することが可能です。今回の実験はその点を証明しました。

実験の責任者であるリジュン・ワン研究員は次のように述べております。「我々の実験は、一般的に見られている相対性理論、すなわち光より早いものはない、という考え方は正しくないことを明らかにしました。だからと言ってアインシュタインの理論が間違っているというのではありません。情報を光の速度より早く伝送することは不可能である、という理論は正しいのです。今後もこの発見のさらなる発展と光通信を含む広範囲な応用につながるよう、光の特性についての研究を続けていく所存です。」

以 上


(注1) ラマン・ピーク:
原子のもつエネルギーを利用して、2光線間のエネルギーの移譲を行う。
(注2) 異常分散:
光の有する異なる波長の中で、通常短い波長ほど速度は遅くなるものが、異常分散した場合、短い波長ほど速度が早くなる。
(注3) 群速度:
光のパルスを構成する様々な波長の平均速度。



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