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プレスリリース

世界最大容量のWDM光伝送技術の詳細


本WDM光伝送実験の詳細は次の通りであります。

(1) 1.4 mおよび1.56 mの2つの波長で励起する技術を開発

1.49ミクロン( m:千分の1mm)帯は1.55/1.58 m帯に次いで光ファイバの損失が小さいにもかかわらず、これまでこの波長域で増幅動作する有効な元素が発見されていなかったため未開拓の波長域でありました。最近、ツリウム(Tm)という元素を添加した光ファイバを用いた1.46 m帯で動作する光増幅器が報告されましたが、1.46 m帯では光ファイバの損失が大きいため、より長波長帯の光増幅器が望まれていました。
そこでNECでは、これまで波長1.05 mの励起光で励起していたツリウム光ファイバ増幅器に対して、2つの波長(1.4 mおよび1.56 m)で励起する2波長励起技術を新たに開発することにより、利得ピークを1.46 m帯から1.49 m帯へ効率的にシフトさせることに世界で初めて成功いたしました。さらに、1.4 mおよび1.56 mという波長の励起光源は半導体レーザですでに実用化されており、今回開発した2波長励起技術は高効率と高信頼を両立できる実用性の高い技術であります。
この結果、新たに開拓した1.49 m帯と従来の1.55/1.58 m帯を併用することにより、使用可能な波長範囲を従来の64nmから107nmと1.7倍に拡大することを可能にいたしました。

(2) 最適な光ファイバの配置とパワーレベル設計によるマルチバンドWDM伝送技術を開発

1.49 m帯、1.55 m帯および1.58 m帯を用いた広帯域3波長帯WDM伝送では、光ファイバ中で発生する誘導ラマン散乱という非線形効果により、1.49 m帯の信号光のエネルギーで1.58 m帯の信号光を増幅するという現象が発生します。この結果、1.49 m帯の信号光はパワーが減衰して過剰な損失を受けるため、光信号対雑音比(光SNR)が劣化します。10Tb/sという超大容量・高密度WDM信号を長距離伝送するためには、この誘導ラマン散乱による光SNRの劣化をいかに抑えるかが重要となります。
これに対し、NECでは、伝送区間内の前半と後半で異なる種類の光ファイバを組み合わせることで誘導ラマン散乱をできるだけ抑圧し、さらに抑圧しきれない1.49 m帯に発生する過剰な損失を分布ラマン増幅技術によって補償いたしました。前半にはコア径が大きく、損失およびラマン係数の小さい純シリカコア光ファイバを、後半には波長分散を補償するための逆分散光ファイバを配置いたしました。また、分布ラマン増幅技術は前述の誘導ラマン散乱現象を応用したもので、1.49 m帯の信号光に対して1.39 m付近の励起光を伝送路光ファイバの出射端から信号光とは逆方向に入力することにより、1.49 m帯の信号光を増幅するという技術であります。このように誘導ラマン散乱という現象は、伝送路光ファイバの前半部では短波長帯の損失増加として劣化を引き起こしますが、伝送路光ファイバの後半部では分布ラマン増幅として有益に利用することができます。
このように、最適な光ファイバの配置とパワーレベル設計を行ったマルチバンドWDM伝送技術の開発により、光ファイバ中で発生する非線形効果による伝送特性劣化を抑圧し、117kmの光増幅中継伝送を可能にいたしました。

(3) 世界最大の伝送容量を実現する偏光多重・分離技術の開発

これまで、WDMシステムの高密度多重化は、できるだけチャネル間隔をつめ、狭い光フィルタを開発することにより実現してきました。しかしながら、1チャネルあたり40Gb/sの2値デジタル信号に対して光フィルタのみで波長多重・分離を行った場合、100GHz間隔がほぼ限界となっております。これはWDM多重度を示す指標である周波数利用効率で0.4bit/s/Hzに相当します。
NECでは、さらなる高密度化を目指し、偏光の直交性を使った多重・分離技術を開発いたしました。光も電磁波であるため、マイクロ波無線システムと同様に、電磁波の振動方向に対して水平と垂直という2つの偏光状態を使って異なる信号を多重することができます。今回は、隣り合う波長チャネルごとに偏光状態を直交させて多重する偏光インターリーブ多重方式を用いました。しかしながら、偏光多重WDM信号光を光ファイバ中に伝送させると複屈折によってこれらは楕円偏光となり、さらに時間的に変動するため、受信側で混信してしまうという課題がありました。これに対して、受信側で信号光の偏光変動に対して自動的に追随する自動偏光制御器を開発し、偏光分離素子と組み合わせることにより所望のチャネルだけを分離する偏光分離型光受信器を開発し、この問題を解決しました。
この偏光多重・分離技術の開発により、40Gb/sの信号を50GHz間隔(波長で約0.4nm間隔に相当)で多重・分離することが可能になり、周波数利用効率を0.8bit/s/Hzまで高めることに成功し、世界最大の伝送容量10.9Tb/sを実現いたしました。




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