NEC NECのスローガン NEC
検索  キーワード検索の文字入力 検索範囲の選択 by Google
ホーム ニュース 会社案内 商品 ソリューション ダウンロード サイトマップ
現在のページの位置: ホーム > プレスリリース > 記事

プレスリリース



第3世代携帯電話の基地局送信アンプを大幅に小型効率化できる窒化物半導体パワートランジスタの開発について
〜ワンチップで世界最高の電力増幅を実現〜

2001年12月04日

日本電気株式会社

NECはこのたび、従来の最高出力である51ワット(W)を大きく更新する、ワンチップで100Wの電力増幅を実現できる窒化物半導体パワートランジスタの開発に成功いたしました。

この窒化物半導体パワートランジスタは、パッケージ内で4つのチップを合成することで、将来的には、従来比約2倍の400〜500Wという送信電力の出力が可能になるため、第3世代携帯電話の基地局送信アンプにおいて、チップ面積を従来比約1/3に、出力を従来比約2倍の500Wに、電源回路の消費電力を従来比約1/16に、小型・効率化することが同時に実現できます。
これは、第3世代携帯電話のサービスを発展させるのに非常に有効な技術であります。

今回のパワートランジスタは、(1)高電圧動作に適した、窒化ガリウム(注1)と窒化アルミニウム・ガリウムとのヘテロ接合(注2)の採用により、砒化ガリウムを用いた従来のものより3〜4倍高い40ボルト(V)の高バイアス電圧動作が可能なこと、(2)研磨条件を最適化して、基板であるサファイアの厚さを従来の約1/6の50ミクロンに薄層化することで、放熱特性を約3倍と大幅に改善でき、出力特性を4〜5倍に向上できること、(3)金メッキを従来の10倍の30ミクロンに厚くした熱短絡ソースエアブリッジ電極を導入したことにより、多数の連なったトランジスタを同一温度にするという均熱動作を可能にしたこと、などにより実現されました。

この技術を用いて試作した全ゲート幅32mmのトランジスタチップに40Vのバイアス電圧を加えたところ、入力電力の周波数が2ギガヘルツの状態で最高113ワットの出力電力(パルス動作:10%duty)を達成できました。これは、米国で実現された51Wという従来の記録を大きく更新するものであります。

本年度からサービスが開始された第3世代携帯電話の今後の大容量化に向けて、市場からは、基地局送信アンプの小型・高出力・省エネルギー化が求められています。基地局送信アンプの高出力化については現在、砒化ガリウムを用いたパワートランジスタの出力をパッケージ内で4チップを合成することにより、240〜300Wの送信電力が達成されております。
しかし、動作電圧が10〜12Vと小さい砒化ガリウムトランジスタでは、これ以上のチップ数の増加が、パッケージの大型化とパワー合成損失の増加を招くばかりでなく、バイアス電流の増加に伴う電源回路の消費電力増加を招くため、このままでは、第3世代携帯電話の基地局送信アンプへの応用に不可欠な300W以上の高出力化の達成が困難であると予想されております。

NECでは、今回の開発が、第3世代携帯電話を普及させる上で重要な役割を担い、今後需要が拡大する基地局の送信アンプの小型・高出力・省エネルギー化に大きく貢献するものと考えており、今後とも、出力の向上と信頼度の評価を進めるとともに、3年後の製品化に向けて研究・開発を加速する計画であります。

なお、NECではこの成果を、12月2日から5日まで米国ワシントン市で開催される学会「2001年IEEE IEDM 電子デバイス国際会議」(International Electron Devices Meeting)において4日に発表いたします。

また、本研究の一部は、地域コンソーシアム研究開発事業の一環として「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」から委託されたプロジェクト「移動体通信およびセンシング用ナイトライド系半導体デバイスの開発」の成果であります。

以上


(注1) 窒化ガリウム
3.4eVと大きなバンドギャップをもつ半導体で、高い破壊電界強度、高い電子走行速度を持ち高温・高耐圧・高出力素子として有望な材料。大きなバンドギャップを利用した青色LED材料としても広く用いられている。
(注2) 窒化アルミニウム・ガリウムとのヘテロ接合
組成の異なる二種の半導体が原子レベルで相接している構造をヘテロ接合と言う。窒化アルミニウムは下地の窒化ガリウムに比較して原子の結合間隔が小さいため下地の窒化ガリウムの結合間隔に合わせて結合間隔が歪み、歪みによって大量の電荷をヘテロ接合の界面に誘起する。このため、従来の砒化ガリウム系ヘテロ接合に比べて3倍以上の濃度をもつ電子ガス(電子の集合体)がヘテロ界面に形成され、トランジスタの大電流・高出力動作に寄与する。


<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>

NECラボラトリーズ 研究企画部
企画戦略グループ

電 話 044-856-2054(直)
E-mail koho@cl.nec.co.jp
本文ここまで
ページトップに戻る
プレスリリーストップに戻る
Copyright© NEC Corporation 1994-2002