NEC NECのスローガン NEC
検索  キーワード検索の文字入力 検索範囲の選択 by Google
ホーム ニュース 会社案内 商品 ソリューション ダウンロード サイトマップ
現在のページの位置: ホーム > プレスリリース > 記事

プレスリリース



LSI化が可能な高性能カーボンナノチューブ・トランジスタの開発

2002年11月15日

日本電気株式会社

NECはこのたび、シリコン・トランジスタと同様に集積化に対応し高性能化が可能なトップゲート構造のカーボンナノチューブ・トランジスタを開発することに成功いたしました。

今回の開発は、(1)電子ビーム露光技術により任意のカーボンナノチューブにゲート電極やソース/ドレイン電極を形成するプロセス技術を開発したこと、(2)ゲート絶縁膜として高誘電率の極薄チタン酸化膜(膜厚2〜3nm)を用いたことにより実現されたものであります。

この技術開発により、現在用いられているシリコンのMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)と同様に、カーボンナノチューブを用いたトランジスタを集積化することが可能になります。また、ゲート絶縁膜のさらなる薄膜化・高品質化とともにゲート長の短縮、ソース/ドレインのコンタクト抵抗の低減を進めることにより、カーボンナノチューブの有する高電子速度/高電流密度という優れた材料特性を生かしてMOSFETよりも高性能なトランジスタが実現可能であります。さらに、カーボンナノチューブの位置や特性を任意に制御できる技術の開発により、ナノメートルというナノチューブの微細な構造を生かした超高集積回路(LSI)も可能になります。このようなカーボンナノチューブトランジスタを用いた超高集積回路が実現されれば、コンピュータ性能の飛躍的な向上や携帯機器の大幅な高性能化/低消費電力化が可能になります。

近年、ナノメートルオーダーの直径を持つカーボンナノチューブの優れた材料特性(高電子速度、高電流密度)に注目し、カーボンナノチューブをチャネルに用いた高性能なトランジスタの研究開発が進められております。しかし、カーボンナノチューブを任意の位置に形成することが困難であるため、シリコン基板をゲートに用いる構造(ボトムゲート構造)がほとんどとなっております。この構造ではゲートを独立して設けることが困難であるため、集積化ができません。また、従来の絶縁膜は数十ナノメートル以上の厚いシリコン酸化膜が用いられており、トランジスタの高性能化のためには数ナノメートル程度の極薄のゲート酸化膜の形成が不可欠となっております。このため、カーボンナノチューブ・トランジスタを用いた集積回路の実現に向けては、ゲート電極を独立に設けられるトップゲート構造の開発や、極薄のゲート絶縁膜の開発が望まれておりました。

NECではかねてから、これらの問題を解決するため研究開発を進めてまいりましたが、このたびゲート絶縁膜としてチタンの自然酸化による高誘電率の極薄チタン酸化膜(膜厚2〜3nm)を用いて、電子ビーム露光技術により任意のカーボンナノチューブにゲート電極やソース/ドレイン電極を形成する新規プロセスを開発してトップゲート構造を実現いたしました。その結果、集積化が可能なトップゲート構造のカーボンナノチューブ・トランジスタが実現でき、ゲート変調性能()が従来より40%以上も向上し、カーボンナノチューブ・トランジスタとしては最高性能を達成いたしました。

NECは、今後はカーボンナノチューブを任意の位置に並べる技術の開発や、チャネルとソース/ドレイン間の抵抗を低減する技術の開発などを進め、カーボンナノチューブ・トランジスタの実用化を目指していきます。

なお、このたびの技術開発は科学技術振興事業団(JST)との共同研究により、行われたものであります。

以上


(注) ゲート変調性能:
ゲート電圧の変化に対してどれくらいドレイン電流が変化するかを表す。値が大きいほどトランジスタとしての性能が高く、高速動作が可能になる。

<本件に関するお客様からの問い合わせ先>

NECラボラトリーズ 研究企画部 企画戦略グループ

電話: (044)856-2054(直通)
e-mail: koho@cl.nec.co.jp

本文ここまで
ページトップに戻る
プレスリリーストップに戻る
Copyright© NEC Corporation 1994-2002