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プレスリリース



高速デジタル回路を安定動作させる低インピーダンス線路素子の開発について

2003年10月20日

日本電気株式会社

NECはこのたび、回路基板(ボード)上の回路同士の干渉を抑え、高速・高周波回路の不安定動作を解消する低インピーダンス線路素子(LILC:low impedance line structure component)(注1)の実用化に向けてボード搭載に適したミニバス形(注2)LILCを開発いたしました。

このたび開発したボード搭載用ミニバス形LILCの主な特長は、以下の通りです。

(1) 単位面積当たりの静電容量が非常に大きく、誘電体の損失が比較的大きい線路構造を採用したことにより、現在、ボード上で最も多く使用されている静電容量0.1μFのチップセラミックコンデンサと比べ、ボード上の電源配線から漏れ出す信号(ノイズの原因となる電磁波)を、約100分の1に低減(電源デカップリング性能を約100倍に向上:注3)し、インピーダンス値を約40%低減(ともに1GHz帯域での測定時)。
(2) LILCをミニバス形としたことにより、ボード上の信号配線を経由せずにLSI中央部の電源端子とLSI外の電源端子を接続することができ、LSIに低インピーダンスの電源を供給することが可能。

このたびの技術開発の結果、半導体部品を実装したボード上において、以下の効果が得られます。

(a) ボード内での電磁干渉の抑制により、電源分配回路を共有する回路間の電磁的独立性が向上するため、電源電圧が安定し、回路の動作安定性が向上。
(b) 高速デジタル回路並びに、高周波回路と高速デジタル回路が混在するボードにおいて、電源分配回路を経由する他の回路からの電磁干渉を考慮せずに回路を設計できるため、回路シミュレーションの精度向上、回路設計の品質向上、設計TAT(turn around time)の短縮などが可能。
(c) 本素子を各種コンデンサやフィルタの代わりに使用することにより、部品数の大幅削減が可能。デスクトップ型パソコンタイプのマザーボードで評価した結果、1291個使用されていたコンデンサのうち、955個のコンデンサを136個のボード搭載用ミニバス形LILCに置き換え、安定に動作することを確認。

近年、電子機器の高速・高性能化の進展に伴い、電子機器に使用されるLSIの動作周波数が高まり、LSIからボードの電源分配回路に漏れ出る高周波電流(ノイズ発生源)が増加する傾向にあります。LSIを正常に動作させるためには、電源電圧を一定に保つ必要がありますが、高周波電流が増加すると、電源分配回路を経由して近隣のLSIに高周波電流が伝わり、電磁干渉や高周波電源変動に起因するLSIの不安定動作が多くなります。
従来、こうした問題に対しては、LSIの電源端子の近くに、各種コンデンサやフィルタを配置し、電源分配回路に高周波電源電流が広がることを防止してきました。しかし、LSIの動作周波数の高まりとともに、従来使用していたコンデンサやフィルタの数を増やしても、高周波電源電流の流出の抑制が困難になっていたため、従来のコンデンサやフィルタに代わる高いデカップリング性能と低インピーダンス特性を有する電気素子へのニーズが高まっておりました。
このたびNECが開発したボード搭載用ミニバス形LILCは、こうしたニーズに応えるもので、電子機器から発生するノイズの大幅な低減が可能になります。

NECでは今後、本技術の2005年度中の実用化を目標に、研究開発を進めていきます。また、今後の電子機器の動作周波数の高まりに対応するため、LILCのプリント基板やLSIパッケージへの埋め込み、LSIオンチップ化の実現に向けた研究開発にも注力していきます。

なお、このたびの開発はNEDO(注4)戦略的産業技術実用化開発補助事業の一環として行われたものです。
NECは、このたびの研究開発成果を、「NEDO実用化助成事業成果展示会 2003」(大阪開催10月22日〜24日,東京開催11月4日〜7日)に出展いたします。

以上


(注1) インピーダンス:
電圧/電流で表され、単位はオーム(Ω)。線路の途中でインピーダンスが変わると、線路中の電磁波が伝わりにくくなる。
(注2) ミニバス:
ボードに搭載して使用する大電流バイパス用配線部品。ボード中の配線を経由せずに電源端子を直結し、LSIなどに大電流を供給する手段として使用されている。
(注3) 電源デカップリング性能:
電源減結合。電子回路の動作に伴って発生する電磁波が電源配線を経由して他の電子回路に回りこみ、その動作に干渉・妨害することを抑止する能力。
(注4) NEDO:
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構。

<本件に関するお客様からの問い合わせ先>

NEC 研究企画部 企画戦略グループ

電話: (044)856-2054(直通)
e-mail: koho@cl.nec.co.jp

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