NEC Empowered by Innovation NEC
検索  キーワード検索の文字入力 検索範囲の選択 by Google
ホーム ニュース 会社概要 商品 ソリューション ダウンロード サイトマップ
現在のページの位置: ホーム > プレスリリース > 記事

プレスリリース



壁掛けハイビジョンテレビのケーブルレス化を実現する小型ミリ波トランシーバを開発
〜1Gbpsの高速無線伝送を手のひらサイズの機器で実現〜

2005年04月01日

日本電気株式会社

NECはこのたび、オフィスや家庭向けに、ミリ波(60GHz帯:注1)を用いた新しい無線の映像伝送技術と、そのために使用する小型ミリ波トランシーバを開発しました。

今回開発した装置は、(1)ハイビジョン映像を無線伝送するトランシーバの開発、(2)小型無線モジュールの開発、(3)受信ダイバーシチ方式(注2)の採用、などにより実現したものです。
本開発により、AV機器と壁掛けテレビとの間の映像・音声信号ケーブル配線が不要となり、ハイビジョン映像を非圧縮で無線伝送できるケーブルレスのTVや壁掛けディスプレイが実現できるほか、無線によりハイビジョン映像が楽しめるホームシアターの設置も容易に実現できるようになります。

近年、デジタルハイビジョン放送の拡大、大画面薄型テレビの普及を背景に、ハイビジョン映像を視聴できるホームシアターへの需要が高まっています。しかし、家庭での壁掛けテレビに対するニーズはあるものの、映像・音声用のケーブル配線が利便性や美観を損なうことから導入の妨げになっており、無線化の必要性が高まっていました。このため、2.4GHz帯または5GHz帯無線LAN、あるいはUWB(注3)を用いたハイビジョン映像伝送技術の開発も行われていますが、電波干渉下での映像品質保証が困難であること、データ伝送速度に限界があるため圧縮技術の導入が不可欠で、なおかつ機器により複数規格が並立していること、などが、普及の妨げになっていました。

一方、60GHz帯の電波は、2.5GHzという広い周波数帯域を使用できること、電波干渉の問題が少ないこと、免許が不要であること、などから、1Gbps(毎秒10億ビット)を超える高速の無線伝送を実現することができます。この技術を用いることによってハイビジョン映像等を非圧縮で伝送することが可能となり、(1)画像データの圧縮・復元のための回路が不要、(2)動きの速い映像でも品質が劣化しない、(3)実物との時間遅れがなくリアルタイム伝送が可能、といった利点が得られます。

このたびの開発は、こうした利点のある60GHz帯を用いたデータ伝送用トランシーバの大幅な小型化・低コスト化を実現し、利便性を向上したもので、主な特長は以下の通りです。

(1) 家庭用のハイビジョン対応チューナー、ビデオ、ハードディスクレコーダー等の機器に搭載されているD3/D4端子(注4)から出力されるハイビジョン規格の高精細動画像を、非圧縮でワイヤレス伝送するミリ波トランシーバを開発。映像信号とステレオ音声信号を約1Gbpsのデジタル信号に変換し、ASK変調方式(注5)を用いて60GHz帯で伝送。
(2) 無線モジュールの小型化、電源回路の簡略化等により、低コストで、名刺よりも小さい70mm×50mm×15mm(52cc)というサイズの送・受信機を実現。フリップチップ実装(注6)が可能なIC、フィルタ、発振器等、すべてのミリ波部品をセラミックモジュールに内蔵し、小型化を実現するとともに、製造時の取り扱いも容易に。
(3) 受信機を2台使用することで送信機から2つの信号伝送経路を確保し、電波状況の優れた経路へと随時切替えを行う受信ダイバーシチ方式を導入し、屋内利用での課題であった伝送遮断を大幅に削減。

これにより、例えば本トランシーバの壁掛け平面型テレビへの搭載が可能となり、その利用シーンは、家庭、オフィス、店舗などへと、大きく広がっていくことが期待できます。また、今後は個別の映像伝送装置としてだけでなく、伝送データの大容量化が進む次世代ホームネットワークへの展開も可能であり、高速無線通信手段の一つとして、今後益々活用の場が広まるものと期待されます。

以上


(注1) 60GHz帯:
60GHz帯の電波は、大気中の酸素分子に吸収されやすく、長距離伝送に不向き。逆に、他システムとの干渉が抑えられるメリットがあり、短距離通信には有望である。また直進性が強く、人体等により遮蔽され大きく減衰する特徴を持つ。国内では59〜66GHzが免許不要の帯域として割り当てられており、技術基準に適合する無線機は、空中線電力が10mW以下の特定小電力局として使用できる。同様に、米国では57〜64GHzが免許不要の帯域として割り当てられている。 なお周波数30〜300GHzの電波はミリ波と呼ばれる。
(注2) 受信ダイバーシチ方式:
ダイバーシチは、空間、時間、周波数の異なる伝送経路を用いて、伝送された信号の品質を向上させる技術。受信ダイバーシチは、受信機を2台用意することにより2つの伝送信号経路を確保したもので、空間ダイバーシチの一種である。
(注3) UWB(Ultra Wideband)
2002年2月に、米国連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)で周波数利用のための免許なしで使用が認められた通信システム。UWBは3.1GHzから10.6GHzと非常に広い周波数帯域を利用する。このため超高速通信が可能であるが、電波の出力が非常に低いために伝送速度に応じて通信距離が強い制約を受ける。日本国内では、情報通信審議会がUWBを考慮した電波法の改正を審議中である。
(注4) D3/D4端子:
EIAJ(日本電子機械工業会、現在の電子情報技術産業協会)で定めた、民生用映像端子の国内規格。ハイビジョン映像規格1080i(走査線1080本、インターレース方式)および720p(走査線720本、プログレッシブ方式)に対応している。
(注5) ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式:
信号をオン/オフの2状態で表す変調方式。光ファイバなどによる高速有線伝送では一般的に用いられている。
(注6) フリップチップ実装技術:
チップとモジュール基板との間を、数十ミクロン程度の金ボール(バンプ)を用いて一括接続する技術。低損失かつ量産性に優れる。

<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>

NEC 研究企画部 企画戦略グループ

https://www.nec.co.jp/r_and_d/ja/cl/contact.html


本文ここまで
ページトップに戻る
プレスリリーストップに戻る
Copyright© NEC Corporation 1994-2005