NEC Empowered by Innovation NEC
検索  キーワード検索の文字入力 検索範囲の選択 by Google
ホーム ニュース 会社概要 商品 ソリューション ダウンロード サイトマップ
現在のページの位置: ホーム > プレスリリース > 記事

プレスリリース



NECと東芝が次世代不揮発性磁気メモリ(MRAM)の大容量化に適したセル技術を開発
〜従来比5倍以上の広い書き込みマージンを実現〜

(ご参考)学会発表概要
本資料は、「2005 Symposium on VLSI Technology」(6月14日から16日まで京都市で開催)においてNECと東芝が発表したMRAMに関する論文の概要をまとめた参考資料です。

NECと東芝はこのたび、次世代不揮発性磁気メモリ(以下、MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)の共同開発において、独自の多層構造を有するセル構造を提案し、従来より5倍以上の広い書き込みマージンを可能にするMRAMセルを開発しました。

両社はMRAMのセル構造として、本方式とともに、既に2004年のIEDMで発表した磁化過程を制御する書き込み方式(注1)を並行開発しています。それぞれ大容量化に適したセル構造ですが、前者は特に書き込みマージンが大きい、後者は書込み電流が大幅に小さいことが特長です。これらのセル構造を駆使することでMRAMのアプリケーションに応じて最適な技術で対応することが可能になり、大容量MRAMの実用化に向け大きな進展を遂げることができました。

このたび開発したセル技術の特長は以下の通りです。

  1. 記録層を多層構造にした磁気抵抗素子(以下MTJ素子:Magnetic Tunneling Junction)を有するMRAMセルを開発し、低電流でかつ書き込みマージンの広いスイッチング特性を実現。書き込みの動作マージンの広さに特長のあるトグル方式(注2)の課題を、多層記録層の各層間での磁気結合を調整することにより解決。
  2. 上記の多層構造をさらに多層化することにより、熱安定性を保ちつつ電流の増大を抑制することが可能であることを実証し、将来にわたる微細化(スケーリング)の可能性を提示。

MRAMは記録層の磁化方向により情報を蓄積する次世代の不揮発性メモリです。その特長として、(1)1ボルト以下という、低いセル動作電圧を実現できること、(2)書き換え耐性が無限大であること、(3)数ナノ秒という高速書込みが可能であること、(4)CMOSデバイスと混載しやすいこと、などを有することから、次世代の不揮発性メモリデバイスとして注目されています。不揮発性RAMは電源を切っても情報を保持できるため、携帯情報機器など幅広い分野に利用が期待されています。NECと東芝はMRAMの実用化に向け、2002年から共同開発を推進してまいりました。その実用化にあたっては、セルの誤動作を抑制する広い書き込みマージンの確保と、将来にわたる微細化に対応するための書き込み電流の低減とが重要であり、これらの両立が課題のひとつです。
MRAMは、マトリックス(格子)状に配線されたビット線とワード線の交点にMTJ素子を配置した基本構成を持っています。このMTJ素子は、上層強磁性層(記録層)と下層強磁性層、およびこれら二つの強磁性層に挟まれた絶縁膜から成っており、下層強磁性層はあらかじめ磁化方向が固定されています。データの書き込みは、ビット線とワード線を選択して電流を流し、誘起される合成磁場によって任意の交点のMTJ素子の上層強磁性層のみを書き換えることで行ないます。書き換えられた上層強磁性層の磁化方向が下層強磁性層の磁化方向と平行になるか、反平行になるかによって、絶縁膜に流れるトンネル電流量が変化することを読み取って、「0」、「1」のデータとして認識します。
ところが、一方の配線上にあるMTJ素子(半選択状態(注3)にある素子)にも弱い磁界が印加されるため、メモリセルごとの特性にばらつきがあると、半選択状態にある素子で誤って書き込みが行なわれ、正常動作を妨げる大きな要因となっています。この誤書き込みを防止する方式として、磁性体のスピンフロップ現象(注4)を用いた書き込み方式(トグル方式)が、広い書き込みマージンを確保できる有望な手法として注目されています。しかし、同方式には書き込み電流を低減しようとするとその書き込み動作マージンが著しく狭くなるという問題(注5)があります。今回、我々は、新規な多層構造記録層を有するMTJ素子を開発し、本記録層の層間の磁気結合の強さを調整することにより、トグル方式の持つ書き込み電流に関する課題を解決しました。これにより、低電流でかつ書き込みマージンの広いスイッチング特性(書き込み動作マージンが平均値で従来比5倍)を実現しました。さらに、微細化に伴い上昇する書き込み電流に関しても、上記の多層構造を進化させる、具体的には層数を増やすことにより、熱安定性を保ちつつ電流の増大を抑制することが可能であることを実証し、MRAMのスケーリングの可能性を示しました。

NECと東芝では、NEDO技術開発機構の助成を受けてMRAM開発を進めており、2005年度には250nm設計ルールの磁気抵抗素子作成技術と130nm設計ルールのCMOS作成技術を用いて、256MbitMRAMの実現に必要な基盤技術を確立する予定です。

・セッション : 10B-3
・タイトル : "Toggling Cell with Four Antiferromagnetically Coupled Ferromagnetic Layers for High Density MRAM with Low Switching Current"

以上


本文ここまで
ページトップに戻る
プレスリリーストップに戻る
Copyright© NEC Corporation 1994-2005