ページの先頭です
本文へジャンプする

Japan

ここから本文です
サイト内の現在位置を表示しています

ホーム > プレスリリース > 記事

分子動力学計算サーバの発売について

2005年11月29日
日本電気株式会社

NECはこのたび、コンピュータシミュレーションを活用して新薬の開発効率を高めるバイオIT用途として、分子動力学法(注1)における非結合力計算を高速に処理する専用計算ボード「MDエンジン(R)」(注2)を搭載した分子動力学計算サーバを製品化し、「Expresss5800/MD Server」の名称で本日から販売活動を開始いたしました。

新薬の開発においては、特定のたんぱく質に作用する医薬品候補物質を実験的にスクリーニングしていく従来の方法に替わり、コンピュータシミュレーションにより探索するin silico(イン・シリコ)創薬技術とその中核技術の一つである分子動力学(Molecular Dynamics ; MD)シミュレーションが注目されております。しかしながら、たんぱく質のような巨大分子の構造や機能を正確に予測し、医薬品候補化合物との結合の強さを見積もるには、数日あるいは数ヶ月というような膨大な計算時間がかかることから、基礎研究レベルの利用に用途が限られておりました。
NECでは、分子動力学計算の専用プログラムを高速処理することに特化した「MDエンジン(R)」を開発し、さらに独自技術を駆使してこれを搭載した専用サーバを製品化することで高いコストパフォーマンスを実現しております。

このたびの新製品の主な特長は次の通りです。

1. 非結合力計算を高速で処理する計算専用ボード搭載
分子動力学シミュレーションで計算の大部分(多くの場合99%以上)を占めるクーロン力、分子間力などの非結合力計算を高速に処理する計算専用ボード「MDエンジン(R)」を実装することによりシミュレーション時間を飛躍的に短縮。PCサーバ1台を用いたMD計算(注3)と比較して約340倍の高速化を実現。
2. 効率的な高精度計算が可能
計算時間削減のために通常行われるカットオフ(遠距離原子間の非結合力を計算しない方法)を用いずに、分子全体の力の計算を高精度に処理することが可能。このため、分子の構造や分子間の位置関係が化学的・生物学的にあり得ない状態になるという計算エラーの発生がなくなり、薬剤候補分子探索効率が向上する。
3. 業界標準のソフトウェアに対応し、充実した統合作業環境を提供
業界標準の分子動力学シミュレーションソフトAMBERをサポートし、専用のGUIツール(別売)を提供。PCなどのクライアントからMD Server上のプログラムを実行することや、計算結果をグラフィック表示することが可能。また専用のライブラリ関数を提供しているため、利用者独自の分子動力学プログラムも本サーバに移植し、高速に実行することが可能。
4. 強力なサポート体制
AMBERなどの標準プログラムの移植、専用ボード、ライブラリを含めたMD Serverの開発はすべてNECが担当。利用者独自の分子動力学プログラムへの適用などにおける技術サポートも含め、業界最多の国内400ヶ所以上の保守拠点をはじめワールドワイドでもサポート体制を用意。

新製品の本体販売価格は340万円(税抜き)からであり、11月30日からの出荷を予定しております。
NECではこのたびの新製品において今後3年間で1500システムの販売を見込んでおります。

ヒトゲノム解読により得られた知見を利用し、遺伝子の機能解析あるいはたんぱく質の構造・機能解析を行う「ポストゲノム」研究が注目を集めています。特に、疾病に関係するたんぱく質に対して作用する新薬の研究開発が、製薬企業を中心に精力的に進められています。このような研究は、試行錯誤的な実験により行われてきましたが、開発期間の短縮、コスト削減を目的として、たんぱく質と化合物の相互作用をコンピュータシミュレーションにより高速に予測するin silico評価法も導入され始めています。

NECでは従来から、たんぱく質と化合物の相互作用に関する高精度かつ高速なシミュレーション技術の研究・開発を行っており、実用的なin silico創薬システム(注4)の実現に努めてまいりました。このたびの新製品はこれまで課題とされていた計算時間の短縮化と計算内容の高精度化を同時に実現し、バイオ分野での研究開発をより一層強力に支援するものです。

新製品の主な仕様については別紙をご参照ください。

以上

(注1)分子動力学法:
分子を構成する原子間に働く相互作用などをパラメータとしてニュートンの運動方程式を解くことにより、分子の熱運動をシミュレーションする方法。
(注2)
MDエンジンは日本電気株式会社の登録商標です。
(注3)
AMBER、約30,000原子、孤立系、カットオフなしの条件
(注4)in silico創薬システム:
薬剤候補化合物が、たんぱく質などの高分子に対して、どの部位にどのように結合しうるのか(ドッキングモード)、またその結合の強さがどの程度なのか(アフィニティ)、についてコンピュータを用いて予測することによって、in vivo(生体内)、in vitro(試験管内)の実験補助として、効率的な創薬研究を支援するシステム。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

HPC販売推進本部
電話: (03)3798-9131
E-Mail: info@hpc.jp.nec.com


このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

本文ここまで
ページの終わりです
ページの先頭へ戻る