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ストリーミングメディアの品質向上を実現する通信制御方式を開発
~TCPを用いたストリーミング品質向上を世界で初めて実現~

2006年 5月29日
日本電気株式会社

NECはこのたび、ストリーミングメディアの通信品質向上に適した通信制御方式(ストリーミング用TCP技術)を開発しました。

本技術は、ファイアウォールやブローバンドルータなどの影響でストリーミングをTCP(注1)で行う必要がある場合にも、安定したコンテンツ再生を可能にするもので、TCPを用いてストリーミング品質を向上する技術は、世界で初めてとなります。本技術では、ネットワークの輻輳(ふくそう:注2)に対する耐性を強めることにより、従来のTCPに比べて同一通信路上に10倍の数の通信が共存する状況でも、特定の通信において安定したストリーミングを可能としました。本技術により、映像ストリーミングメディアの通信品質向上に貢献します。

このたび開発した通信制御方式の特長は以下の通りです。

(1) 再生クライアントの受信バッファを枯渇させない通信速度制御
従来のTCPは、ネットワークが輻輳した環境下では通信速度が安定しませんでした。この特性は常に一定の通信速度を必要とするストリーミングには不適切で、再生クライアントの受信バッファを枯渇させやすくなるため、映像が頻繁に止まるという問題が起こります。
本方式では、TCPの通信手順に従いながら、ストリーミングに適した通信速度制御を行う新機能を開発しました。受信バッファを枯渇させないために必要な通信速度を算出し、動的に通信速度の調整を行います。これにより、ストリーミングの受信バッファを枯渇させないために必要な通信速度を平均的に維持する制御を可能にしました。
(2) 一時的な輻輳発生時の通信速度減少を抑える制御
TCPは輻輳によりパケットが紛失すると、通信速度を著しく低下させ、紛失したパケットを送り直す(再送)処理を行います。この場合、輻輳が一時的でネットワーク上にデータを送る帯域の余裕があるにもかかわらず、再送データが送れない状態が発生してしまうことが従来の大きな課題でした。
本方式では、パケット紛失が間欠的であるか継続的であるかにより輻輳の状態を判断し、輻輳が一時的の場合には通信速度を維持しながら再送処理を行う制御を行います。本方式により、一時的な輻輳発生時の通信速度減少を最低限に抑えることを可能にしました。

本通信速度制御方式は、これらの制御システムをストリーミングサーバに実装したり、通信方法を本方式へ変換する中継器(TCP中継器)をサーバ付近に設置することで容易に実現可能です。本方式により、ネットワークの輻輳のために従来のTCPでは通信速度が1/10に低下してしまう状況であっても特定の通信で通信速度の低下を発生させないことが可能です。これにより、ストリーミングサービスの提供者が、有料コンテンツや高い品質が求められる用途に対しては本方式を用いてサービスの品質を向上させる、といったことが可能になり、今後、より多様なサービスを実現できるようになります。

近年、企業内でのWeb会議システムの普及や、インターネットでの映像コンテンツ配信の広がりなど、ストリーミングを利用したサービスが増加しています。従来は、ストリーミングにはリアルタイム配信に優れたUDP(注3)を用いた通信方式が用いられていましたが、ネットワーク中には、ファイアウォールやブロードバンドルータなど、外部からの攻撃を防ぐための装置が存在しており、これらの装置配下の再生クライアントからストリーミングを視聴する場合は、UDPを使用できないことが多くなります。
このような環境下では、ファイアウォール、ブロードバンドルータを通過することができる通信方式であるTCPが使用されます。しかし、TCPによるストリーミングは、ネットワークの混雑度によって他のトラフィックの影響を大きく受けるため、映像が頻繁に止まるという問題があり、TCP上でも安定したストリーミングを可能にしたいという要求がありました。

このたびの開発は、こうしたニーズに応えてストリーミングの実用性を拡大するもので、次世代ネットワーク(NGN)を活用した様々な高品位サービスを実現するための基盤技術と位置付けられます。

なお、このたびの研究開発の一部は、総務省から戦略的情報通信研究開発推進制度「ネットワークサービスの早期展開を実現するオーバレイネットワーク基盤の研究開発」として委託を受けて実施したものです。

NECは本技術を、6月7日から9日まで幕張メッセ(千葉県・千葉市)で開催される「Interop Tokyo 2006」で動態展示します。

以上

(注1) TCP(トランスミッションコントロールプロトコル):
インターネット上のデータ通信に用いられる通信方式。データ到着順番の制御や再送制御を行うことによりデータの完全性を保証しながら、通信速度の制御を行う。
(注2) 輻輳(ふくそう):
ネットワークが混雑している状態のこと。
(注3) UDP(ユーザデータグラムプロトコル):
インターネット上でストリーミング通信などに用いられる通信方式。リアルタイム性に優れるがデータの完全性は保証されないため、ファイアウォール、ブロードバンドルータなどを通過する際、通信を拒否されることが多い。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 企画戦略グループ
https://www.nec.co.jp/r_and_d/ja/cl/contact.html


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