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回路の一部が故障しても動作不良を回避できるLSIの基本技術を開発
~将来の超微細LSIが抱える信頼性維持の問題を低コストに解決可能~

2007年 2月19日
日本電気株式会社
NECエレクトロニクス株式会社

NECおよびNECエレクトロニクスはこのたび、LSIの論理回路の一部に故障が生じても、LSI全体は正しく動作し続けることができる基本技術の開発に成功しました。この技術は、将来の超微細LSIにおいて深刻な問題となることが懸念される故障増大の問題を解決し、今後とも信頼性の高いLSIを低コストで実現するための基本技術になります。

このたびの開発した技術の特長は次の通りです。

(1) LSIの動作中の不良を、LSIが誤動作する前に検知できる回路を開発。
(2) 論理回路の中に冗長回路を細かい回路単位に分けて設けることで、LSI上に複数の不良があった場合でも補償が可能となった。また、これと事前検知回路とを組み合わせることで、LSIの動作を止めることなく、複数の故障に対する補償が可能となった。
(3) LSI上の個々の冗長回路の使用状況をLSIの外部に出力することにより、従来は難しかった不良が起こった場所の特定を容易にした。

さまざまな機器からいつでもネットワークにアクセスできるユビキタス社会への対応として、携帯電話、デジタル家電、携帯音楽端末、カーナビなどの電子機器を中心にシステムの多機能化が進んでいます。そのため、搭載されるLSIの高性能化、低価格化をさらに進める必要性から、LSIの微細化を実現する技術への期待が高まっています。

一方で、LSIの微細化がさらに進むと、半導体製造上の加工ばらつきや小さなゴミなどでできる微小な欠陥、原子レベルでの位置のばらつきなど、従来のLSIには影響しなかった問題が顕在化します。また、LSIの大規模化が進むことから、LSI使用中に将来故障を引き起こす可能性のある経年劣化(注1)による不良を、出荷時検査で排除することが困難になります。

信頼性を維持するための技術として、不良が発生した本回路の部分を冗長回路に切り替えることで補償する冗長技術があります。これまでは、例えば、単純回路の繰り返し構造であるメモリ回路では、細かい単位で冗長回路を入れることが実現できていましたが、その一方で論理回路での冗長化は、従来、MPU等の回路全体を2重化、3重化することで対応してきました。しかし、今後微細化が進んで1つのLSIに複数の不良が発生するようになると、論理回路全体を単位としての冗長化では正常動作を保つことが難しくなるため、信頼性を維持するためには本回路とは別に用意する冗長回路の数を更に増やす必要があり、コスト増加を招くことになります。そこで、LSI動作時の高い信頼性を維持するためのコスト問題を解決できる新しい技術開発が、将来の超微細LSI実現に向けた課題となっていました。

本回路と冗長回路の両方に不良が発生した場合にはその補償ができなくなりますが、細かい単位で冗長回路を入れることにより、本回路と冗長回路の両方に不良が発生する確率を小さくすることができます。今回開発した手法を用いることで、論理回路にも細かい単位での冗長回路の導入が可能になり、複数の不良を補償することができます。また、今回開発した手法では、故障が発生しLSIが誤動作してから検知するのではなく、故障によりLSIが誤動作することを事前に発見し、LSIが正常に動作したまま故障を補償できるため、故障が生じても正しく動作し続けることができる高信頼なLSIを実現することが可能になります。さらに、故障原因となる不良の箇所が容易に特定できることで、新規微細化プロセスを立ち上げる際のプロセス改善が容易になり、微細化プロセス製品を早期に提供することができるようになります。

NECおよびNECエレクトロニクスは、今後とも、高性能でかつ安心して使っていただける高信頼なLSIを低価格でお客様に提供し続けるための研究開発活動を積極的に展開していきます。

なお、NECは今回の成果を、2月11日から15日まで、米国のカリフォルニア州サンフランシスコ市で開催された学会「国際固体回路会議(ISSCC2007)」において発表しました。

以上

(注1)
経年変化には、初期故障につながるようなLSIの動作を開始してすぐに故障を引き起こす経年劣化と、何年もかかって故障となるような経年劣化がある。今回開発した技術は、両者を検出することが可能であるが、回路の遅延時間が増加するような一般的な経年劣化に限る。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 企画戦略グループ
http://www.nec.co.jp/contact/


このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

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