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Japan

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金属に匹敵する熱伝導性を実現したバイオプラスチックを開発

2007年 4月 9日
日本電気株式会社

NECはこのたび、植物由来の樹脂を用いてステンレス以上の熱伝導性を実現し、電子機器の環境対策と発熱対策の双方に寄与する高熱伝導性バイオプラスチックを世界に先駆けて開発しました。

このたび開発した新素材の特長は以下の通りです。

(1) トウモロコシなどを原料としたポリ乳酸樹脂(注1)に特定の繊維長の炭素繊維と独自に開発した結合剤を添加・混合することによって樹脂中で炭素繊維を互いに結合させて網目状にし(ネット化)、高度な熱伝導性(炭素繊維10%添加でステンレス程度、約30%添加でステンレスの2倍の熱拡散性)と、金属では劣っていた平面方向への伝熱性を実現。
(2) 炭素繊維を除く成分は、結合剤も含め大部分が植物由来であり(90%以上)、優れた環境調和性を実現。
(3) 電子機器の筐体に利用する上で必要な強度特性や成形性も基本実証。

このバイオプラスチックを電子機器の筐体に利用することで、従来は困難であった、局部的な高温化を防ぎながら筐体全体で放熱するという特性を実現できます。この特性により、今後、より一層の小型・薄型化が進むと予想される電子機器の環境対策と発熱対策の双方を進めることができます。

近年、携帯電話やノートパソコンなどの小型の電子機器は、使用されるデバイスの高性能化が進み、発熱量が増加しているため、機器からの放熱性の向上が利用上の大きな課題となっています。従来、電子機器の発熱対策として用いられていた放熱ファンや放熱シートは、機器の薄型化が進むとともに使用が困難になりつつあります。

そこで、これまでのプラスチック材料に代わり、筐体に熱伝導性に優れる金属を利用する方法がありますが、金属は筐体の厚み方向の熱伝導性が高すぎてデバイス周辺で局部的に高温になるため、使用上の不快感を起こしやすくなります。また、プラスチック中に熱伝導性の高い充填剤(フィラー)、すなわち、金属や炭素の粉体や繊維を含有させて、筐体全体としての熱伝導性を高める検討も行われてきましたが、高い熱伝導性を実現するには、このようなフィラーを高配合する必要があるため(50%以上)、プラスチックの成形性が著しく低下し、比重やコストも増加するという課題があります。このため、これらの課題を克服する新材料の開発が求められていました。

一方で、近年、電子機器用の新しい環境適合素材として、再生可能な植物を原料としたバイオプラスチックとしてポリ乳酸樹脂が注目され、利用が始まっています。しかし、通常のポリ乳酸樹脂は、これまでの石油原料のプラスチックと同様に熱伝導性が低く、さらに他の実用特性も石油原料のプラスチックと比べ劣っていました。

NECはかねてから、これらの問題を解決するために研究開発を進めており、温暖化防止効果の高いケナフ(注2)の繊維などをポリ乳酸樹脂に添加することで耐熱性や強度を大幅に向上したケナフ添加ポリ乳酸樹脂を開発し、携帯電話などへの利用を開始しています。さらに、ポリ乳酸樹脂に有害物質を添加することなく、難燃性や形状記憶性を付与させることにも成功しています。このたびの開発は、こうした環境適合素材の開発分野におけるNECの技術力をベースに、独自な植物系の結合剤によって炭素繊維をポリ乳酸樹脂中で網目状に結合させる新技術を用いて実現したものです。

NECは今後、2008年度内を目標に、本素材の量産化などの実用技術を仕上げ、その後、電子機器の筐体などへの利用を進めるとともに、電子機器以外の応用分野の開拓も積極的に進めていきます。

以上

(注1) ポリ乳酸:
トウモロコシ等の発酵で作った乳酸を重合させたプラスチックであり、大量製造が開始されている。現行の量産化されている植物由来のバイオプラスチック中では、最も優れた耐熱性と強度を有するが、電子機器用としては特性が不十分であった。
(注2) ケナフ:
ケナフは植物中、最高レベルの成長速度を示し(通常植物の3~9倍)、抜群の炭酸ガス固定化効果を有している(ケナフ1トンにつき空気中のCO2を1.5トン吸収)。しかし、従来の利用方法は、紙の繊維材料や飼料等、既存材料の代替が中心で、有効な利用方法は未開拓であった。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 企画戦略グループ
http://www.nec.co.jp/contact/


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