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2007年度「C&C賞」(平成19年度)受賞者の決定について

2007年11月 5日
財団法人NEC C&C財団

Dr. ロバート D. マウラー Dr. ジョン B. マクチェスニー
Dr. ロバート D. マウラー Dr. ジョン B. マクチェスニー
伊澤 達夫 博士 伊賀 健一 博士
伊澤 達夫 博士 伊賀 健一 博士

財団法人NEC C&C財団(理事長:佐々木元 NEC代表取締役会長、所在地:東京都港区)はこのたび、本年度の「C&C賞」受賞者2グループ4名を決定いたしました。

「C&C賞」は、1985年に創設された賞で、情報処理技術、電気通信技術、半導体デバイス技術、およびこれらの融合する技術分野(Integration of Computers and Communications - C&C)の開拓または研究、あるいはこの分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し顕著な貢献のあった方に授与されるものです。受賞者には、賞状、賞牌ならびに賞金(各グループ1千万円)が贈られます。

表彰式典は、11月28日(水)午後3時30分からANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区赤坂)において開催いたします。同表彰式典では贈呈式に引き続いて受賞者の記念講演が行われます。

1. 2007年度(平成19年度)「C&C賞」受賞者について
グループ A:
  Dr.ロバート D.マウラー (元)コーニング社 リサーチフェロー
Dr.ジョン B.マクチェスニー (元)ベル研究所 フェロー
伊澤 達夫 博士 東京工業大学 理事・副学長
(前)NTTエレクトロニクス株式会社 代表取締役社長

<業績記> 「低損失光ファイバーの研究開発に関する先駆的貢献」

グループ B:
  伊賀 健一 博士 東京工業大学 学長
(前)日本学術振興会 理事
 
<業績記> 「面発光レーザの発明とその実現による光エレクトロニクス発展への貢献」

2.

各グループの受賞理由について
グループ A:
  ロバート D.マウラー博士、ジョン B.マクチェスニー博士、伊澤達夫博士らに代表されるそれぞれの研究チームは現在広く使われている光低損失ファイバーの研究開発において先駆的な貢献をしました。
まず、マウラー博士らのコーニング社の研究チームは、1970年、石英ガラスのチューブの内側にTiO2(二酸化チタン)などをドーパントとした多孔質のシリカガラスを堆積させた後、溶融し、細い糸にして巻き取りファイバー化しました。これにより光ファイバーの伝送損失を20dB/kmに低減できることを初めて実証しました。このことは、光ファイバーが実用的な光伝送媒体に発展する可能性を示す画期的な出来事でした。次いで、マクチェスニー博士らのベル研究所のチームは、1974年、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition:化学気相蒸着)法を開発しました。この方法は石英ガラス管の内壁にGeO2(二酸化ゲルマニウム)などをドーパントとしたシリカガラスを堆積させると同時に、移動式のバーナで軸方向に順次加熱することで、透明のガラス層を得るものです。この透明ガラスの堆積を繰り返した後、ファイバー化し、堆積速度を向上させると共に光ファイバーの特性を大幅に改善することが出来ました。これらの成果に刺激されて、光ファイバーの実用化に向けた伝送実験や商用試作が進みました。さらに伊澤達夫博士らのNTTのチームは、1977年に、軸方向に多孔質のガラスを成長させ、それを加熱して透明化する気相軸付け法(Vapor-phase Axial Deposition)により更なる低損失の光ファイバーを実現すると同時に、量産性を大幅に改善することに成功しました。
その後の技術開発により、光ファイバーの伝送損失は現在、0.2dB/kmを切るレベルにまで達し、光通信ネットワークは社会的基盤として広く普及しております。当財団は、それぞれの研究チームを代表するロバート D.マウラー博士、ジョン B.マクチェスニー博士、伊澤達夫博士らの先駆的研究開発による貢献を、高く評価いたしました。

グループ B:
  伊賀健一博士は、1977年に東京工業大学において、半導体基板面に対して垂直に光が出る全く新しい構造の面発光レーザ(VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を発明しました。それから2年後の1979年にパルスでのレーザ発振に成功したものの、それまでのレーザと比較して、原理的に活性層の長さが桁違いに短いためにレーザ発振条件が厳しく、実用化に必須となる室温での連続発振に至るには苦難の時期が長く続きました。
こうした状況下で伊賀博士らは反射膜構造や活性層構造の改善に向けたさまざまな取り組みを行いました。すなわちGaAs(ガリウム砒素)ベース、InP(インジウムリン)ベースのそれぞれの構成に対し、基板を除去した薄膜による短共振器構造、誘電体多層反射膜反射鏡、円形埋め込みメサ構造(CBH)、電流ブロック層など数十項目の改善を重ねました。そして遂に1988年、室温での連続発振に成功しました。この後、ベル研究所をはじめ複数の研究機関でも連続発振に成功し、世界中で低閾値化など実用化に向けた改良がなされ、製品化に至っています。面発光レーザは、一枚のウェハーから多くの素子が得られるだけでなく、ウェハーの段階で性能を検査できるため、低コスト化が可能です。また、低消費電力、単一周波数動作、超高速直接変調ができるなどの優れた特徴があるため、ギガビットイーサなどの短距離高速データ通信用の光源や、レーザプリンタや光学マウスなどにも広く使われています。さらに、スーパーコンピュータから携帯電話にいたるまでの光インターコネクト(光による配線や接続)などの用途も注目されています。当財団は、面発光レーザの提案と先導的研究により、光エレクトロニクスの新分野に端緒を切り拓いた伊賀健一博士の業績を、高く評価いたしました。

なお、NEC C&C財団は、この表彰式典への一般の方々の参加・聴講申込みを、当財団ホームページ( http://www.candc.or.jp )にて受け付けております。

受賞者略歴および当財団の活動概要については、別紙をご参照下さい。

以上

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

財団法人NEC C&C財団 後閑(ごかん)
電話: 03(3457)7711(直通)
http://www.candc.or.jp/contact.html


このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

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