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Japan

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完全Low-k化した層間絶縁膜適用モジュールによる
低電力LSI配線を実現

2007年12月13日
日本電気株式会社
NECエレクトロニクス株式会社

NECはこのたび、LSI配線に利用する銅原子が層間絶縁膜中へ移動する銅拡散を抑制する低誘電率(Low-k)「シリカ・炭素複合膜」を開発し、LSIチップ内の微細な多層配線の全領域を完全Low-k化した低電力LSIデバイスの基本性能を実証しました。分子レベルの材料設計技術と、高度なプラズマ成膜技術をLSI配線製造に適用することで、低消費電力化を実現したものです。

このたび開発した完全Low-k化配線の主な特長は、以下の通りです。

(1) 分子ナノテクノロジー(材料設計)により、従来の材料であるシリカの骨格に2重結合を有する炭素を混在させた複合材料膜とすることで、新材料「Low-kバリア絶縁膜材料」を開発。従来の銅拡散バリア材料の誘電率を35%低減。
(2) 銅配線表面の安定化プロセスと組み合わせることで、数十ナノメートルまで極薄膜化しても優れた絶縁信頼性を確保。
(3) 安定性に優れ、サブナノサイズの空孔が分散された、「分子細孔Low-k膜」(注1)との真空連続成膜が可能なプラズマ成膜技術(注2)により、多層配線の全領域を完全にLow-k化。
(4) それにより、LSI配線部の動作消費電力の増加要因となる配線寄生容量を11%低減しつつ、従来配線と同等以上に信頼性を確保。

このたび開発した完全Low-k化配線は、NECが長年にわたり研究開発してきた分子レベルの材料設計技術(分子ナノテクノロジー)と高度なプラズマ成膜技術で実現した究極の多層配線構造で、微細化の進んだ最先端32nmCMOSデバイスだけでなく、既存CMOSデバイスに対してもチップの動作消費電力の低減と高信頼性を実現できます。これにより、超高周波・高速信号を取り扱う広帯域無線携帯端末や高速・大容量サーバなどのユビキタス対応機器や車載用の低消費マイコンなどのさらなる高性能・低電力化が可能となります。

昨今のLSIは、微細化により配線間の静電容量(寄生容量)が増大し、配線による不要な消費電力が増えており、その低減が急務となっています。LSIの多層銅配線は、隣接配線を分離する層間絶縁膜と銅原子の拡散を抑制するバリア絶縁膜から構成されています。層間絶縁膜には多孔質膜が導入されるなど、Low-k化が実用化されています。しかしながら、バリア絶縁膜はLow-k化すると銅の拡散バリア性が消失してしまう課題がありました。

今回開発した低誘電率「シリカ・炭素複合膜」では、シリカ骨格中に混在させた2重結合を有する炭素の働きで銅原子の拡散抑制が可能となります。この「シリカ・炭素複合膜」からなるバリア絶縁膜と「分子細孔Low-k膜」からなる層間絶縁膜と連続成長させることで実現した完全Low-k化した低電力配線LSIは、ユビキタス社会を支える低消費電力の高速信号処理技術に必要不可欠なものです。今後も、早期の実用化を目指して、積極的な研究開発活動を展開してまいります。

なお、今回の技術は、当社の研究開発成果および、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)からの委託により運営されている「MIRAIプロジェクト」(注3)の研究成果により実現したものです。

今回の成果は、12月10日から12日まで米国ワシントンDCで開催される「国際電子デバイス会議(IEDM 2007:International Electron Devices Meeting)」において、12月12日に発表します。

以上

注1:
極微細孔を内包するように化学構造設計された原料分子を、真空中で積み上げて成長するポーラスLow-k膜。
注2:
複数の原料分子をプラズマ中に導入して共重合反応を発生させ、新しい性質を持った膜を真空成長させる技術。
注3:
当社が参画する半導体MIRAIプロジェクトの「低誘電率材料および配線モジュール技術」において、2001年7月~2004年3月の第1期と2004年4月~2006年3月の第2期に研究開発。NECは同プロジェクトから本研究成果の移転を受けた。なお、有機シリカ系原材料は東ソー株式会社および東ソー・ファインケム株式会社が提供。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC研究企画部 広報グループ
http://www.nec.co.jp/contact/


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