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面発光レーザーを用いた世界最速最長の光インターコネクト技術を開発
~次世代のスーパーコンピュータに不可欠な毎秒20テラビットのデータ伝送実現へ~

2008年 3月18日
日本電気株式会社
国立大学法人 東京工業大学

LSIの周囲に光モジュールを超高密度実装した基板
LSIの周囲に光モジュールを超高密度実装した基板

NECと東京工業大学(以下、東工大)は、このたび、次世代のペタフロップス(注1)級スーパーコンピュータに不可欠となる、LSI1個あたり毎秒20テラビット(20Tbps)クラス(注2)の超高速大容量なデータ伝送を実現する光インターコネクト技術の開発に成功しました。
今回開発した技術は、面発光レーザー(注3)によるLSI間や装置間の光インターコネクションにおいて、世界最速毎秒25ギガビット(25Gbps、注2)で世界最長100mのデータ伝送を実現する技術と、1個のLSIの周囲に1,000信号分の光モジュールを高密度に実装する技術です。
これらの技術を、2010年頃の最先端LSIに適用することで、20Tbps程度の大容量の信号の入出力を、わずか10cm角以内のプリント基板上で行うことが可能となります。これは、業界標準の光モジュールであるSFP+(注4)を用いた場合の伝送容量と比較すると、約1,000倍となります。
これらにより、次世代のスーパーコンピュータのLSI間や装置間の超高速大容量データ伝送が、省エネ、省スペースで可能となります。

このたびの成果は、2006年3月に発表した「世界最速となる25Gbps動作の面発光レーザーの開発」(http://www.nec.co.jp/press/ja/0603/0702.html)、2006年9月に発表した「次世代のスパコン内のチップ間光配線に不可欠な超高密度実装技術を開発」(http://www.nec.co.jp/press/ja/0609/1501.html)に続くものです。

2010年頃の次世代のスーパーコンピュータを実現するためには、装置を構成する複数の最先端LSI間を超高速大容量でデータ伝送する必要があります。また、その頃には、最先端LSIの1信号あたりのデータ伝送速度は20Gbpsを超え、入出力する信号数は1,000信号程度となることが予想されています。この最先端LSIの間を、電気信号だけでデータ伝送することは、電気の伝送ロスが大きいため非常に困難となります。そこで、LSIの入出力信号を伝送ロスの少ない光信号に変換し、データ伝送する技術の開発が急務となっています。

NECと東工大は、平成17年度より平成19年度までの3年間、文部科学省の「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発」における「超高速コンピュータ用光インターコネクションの研究開発」という研究課題に参画し、共同研究を推進してまいりました。

このたび開発した技術は、次の通りです。

(1) 光モジュールによる高速動作・信号伝送の技術を開発・実証
  1信号あたり変調速度(注5)25Gbpsで動作する面発光レーザーと対向する面受光素子、および、これらの光素子を動作させるための光送受信IC(注6)を開発。これらの光素子、およびICを実装した光モジュール間を100mのマルチモード光ファイバー(注7)で接続し、25Gbpsの速度で伝送させることに成功。本伝送技術は、光素子、光送受信ICと光ファイバーの設計回路モデルを統合し、光と電気をひとつの信号として取り扱う光電気統合設計の手法の開発により実現。
   
(2) LSI周辺における1,000信号分の光モジュール実装技術の開発・動作検証
  プリント基板上に搭載したLSIの周り10cm角以内の領域に、超小型光モジュールを1,000信号分実装する技術を開発。本技術は、1)LSIと光モジュール間の電気配線にダイアゴナル構造(注8)を用い、伝送ロスを低減したこと、および、2)幅5mm×長さ7mm×高さ5mmで光素子と光配線(注9)の結合効率を高めた超高密度光モジュール(12信号)を開発したことにより実現。

NECおよび東工大は、このたび開発した技術を次世代のスーパーコンピュータをはじめ、大容量化が進むサーバーやネットワーク装置にも広く適用していくため、今後とも光インターコネクト技術の積極的な研究開発活動を推進してまいります。

以上

(注1)
1ペタフロップスは、毎秒1,000兆回の浮動小数点演算が実行できる計算能力。
(注2)
1テラビット=1兆ビット。1ギガビット=10億ビット。
(注3)
基板から垂直に光を放出するレーザー。VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser) 。小型化、低消費電力化、高速化、さらには量産性に優れ、アレイ化(基板への一括形成)も容易な光源。
(注4)
Small Form Factor Pluggableの略。イーサネット準拠の業界最小クラスの1chトランシーバー光モジュールで、動作速度は10Gbps、大きさは13(幅)mm×56(長さ)mm×8.5(高さ)mm。
(注5)
電気信号から光信号に変換する速度。面発光レーザーへの印加電圧を電気信号の"1""0"にあわせて"ON""OFF"し、レーザー光を"点""滅"させる。
(注6)
LSIからの電気信号で面発光レーザーを駆動するドライバIC(IC=集積回路)、および、面受光素子で光から電気に変換された信号を増幅してLSIに伝送するレシーバIC。
(注7)
光伝送における配線部分の直径が50μm程度の、複数モードの光を伝送可能な光ファイバー。実装が容易で短距離伝送に適している。
(注8)
高速電気信号を伝送するために用いる差動ペア(1信号を伝送するために用いる2本の電気配線)において、このペアを配線の上下方向、かつ、横にずらして配置した配線(添付図参照)。
(注9)
マルチモードファイバー、もしくは、光導波路(光信号用の回路)

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 広報グループ
http://www.nec.co.jp/contact/


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