ページの先頭です
本文へジャンプする

Japan

ここから本文です
サイト内の現在位置を表示しています

ホーム > プレスリリース > 記事

NECと東大、クチコミ効果の分析・シミュレーション技術を構築

2008年 3月31日
日本電気株式会社
国立大学法人東京大学

NECと東京大学は、このたび、サービスの普及過程における人と人との相互作用を分析しモデル化することで、サービスがどのように普及していくのかをシミュレーションする技術を開発しました。

近年、サービスの生産性や品質の向上、サービスの創出に対する科学的なアプローチ(サービスサイエンス)への期待が高まっています。本共同研究では、様々なサービスに対する消費者行動の分析の際、特にクチコミに代表されるコミュニケーションに注目することで、集団的消費者行動の分析を可能にしました。東京大学大学院人文社会系研究科(教授:池田 謙一)が社会心理学的知見に基づいた消費者行動の分析を、NECサービスプラットフォーム研究所が消費者行動シミュレーションを担当しています。

今回の成果は、アンケート調査データに基づき、(1)様々な人間関係により構成される複雑な社会ネットワークに類似した構造をコンピュータ上で構成し、(2)消費者行動モデルを作成することで、(3)コミュニケーションによりサービスが普及していく様子のシミュレーションおよび可視化を可能にするもので、主な特長は以下の通りです。

(1) 数学モデルに基づく社会ネットワークの再現
社会ネットワークと呼ばれる現実の人々の社会的な繋がりに特徴が類似した構造を、数学モデルによりコンピュータ上に再現する技術を構築しました。本技術の特徴は、ネットワークを友人の数やコミュニティ規模などのアンケート調査データに整合させながら作成していく数学的アルゴリズムにあります。生成するネットワークにコミュニティ構造を新たに取り入れたことで、局所的に密となっている消費者の集団をモデルに反映させることが可能となりました。
(2) スノーボールサンプリングアンケート(注1)に基づく消費者行動モデル
マーケティングで重要となる消費者間のクチコミの効果を捉えるため、消費者を分類し、各消費者タイプ(注2)の影響力をスノーボールサンプリングアンケートで調査・モデル化する方法を構築しました。これにより、情報伝播のハブ的な役割を果たすと言われる「マーケットメイブン」や、マーケットメイブンと他の消費者に対して強い説得力を有するオピニオンリーダの双方の特徴を合わせ持つ「リーディングコンシューマ」といった消費者の行動を分析することが可能となりました。コミュニケーションを核として各消費者タイプの行動を捉える技術は、社会全体でのサービスの普及を評価する上で有効な手段となります。
(3) サービスの普及シミュレーション
(1)の社会ネットワークモデルと、(2)の消費者行動モデルを用いて、マルチエージェントシミュレーション(注3)を実行し、購買に至るまでの心理的な段階の変化(認知→関心→所有)を可視化するシミュレータを開発しました。これにより、人々がサービスを受け入れる過程の変化や、消費者タイプの違いによるクチコミの伝播の違いなどを、消費者集団全体の現象として分析・推定することが可能になります。

NECでは今後、本技術をマーケティングにおける一つのツールとして活用することで、より消費者の視点に立ったサービスの提案や効果的なサービス情報の発信を行うことを目指していきます。

本共同研究は、東京大学Proprius21(注4)のスキームを用いることで企業と大学が課題を共有し、2006年1月から開始したものです。本件は、東京大学において社会心理学を専門とする人文社会系研究科研究者が主担当者として企業と共同研究を行った最初の事例です。サービスサイエンス研究では、文理融合による学際的なアプローチが重要であり、NECと東京大学は引き続きサービスにおけるコミュニケーション効果に関する研究を推進していきます。

以上

(注1)
アンケート調査対象者に対して調査を依頼するだけではなく、調査対象者からコミュニケーションの相手として名前が挙がった他者にも直接調査を行う手法。「雪だるま式」にサンプルを増やすことからスノーボールサンプリングと呼ばれる。調査対象者が認知していない周囲他者の調査対象に対する知識・態度・行動等を測定することができる。
(注2)
本研究では、消費者の商品知識やクチコミによる情報発信力と周囲への影響力の点から、リーディングコンシューマ、マーケットメイブン(市場の達人)、オピニオンリーダ、フォロワに区分している。
(注3)
コンピュータ上に、複数のエージェント(人など)をモデル化・配置し、同時に動作させ、エージェント間の相互作用により発現する現象を評価するシミュレーション技法。
(注4)
東京大学がその総合力を活かして提案する、「目に見える成果の創出をめざす新しい価値創造型産学連携共同研究」立案のスキーム。当該スキームでは、共同研究に入る前に'最適なテーマ'と'最適なパートナー'を明確にし、続いて、計画を周到に策定することによってアウトプットに対する認識を産学双方で明確に共有することができる。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 広報グループ
http://www.nec.co.jp/contact/


このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

本文ここまで
ページの終わりです
ページの先頭へ戻る