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ホーム > ニュース > プレスリリース > LSIの消費電力を最大50%削減する温度分布の「見える化」技術を開発

LSIの消費電力を最大50%削減する
温度分布の「見える化」技術を開発 ~メニコア時代の先端LSIを実現する基本技術~

2008年6月27日
日本電気株式会社

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NECはこのたび、LSIの微細化に伴いますます深刻な問題となっている、LSIの消費電力を削減するための基本技術として、LSI温度分布の「見える化」技術を開発いたしました。本技術は、当社の最新スーパーコンピュータ「SX-9」での動作実証に成功しています。

このたび開発した技術は、従来比1/10サイズの小型温度センサを、LSI内に数十個と大量に配置し、LSI内の温度変化を各センサからデジタル信号で出力することで、温度分布をリアルタイムに観測する「見える化」を実現するものです。また、温度センサの小型化において顕著となる製造ばらつきによる測定誤差も低減し、高精度な測定を可能としました。

これらの温度分布の「見える化」技術により、LSI内温度分布を均一にするための制御が可能となり、LSI内温度の局所的な上昇による信頼性低下を防ぐ「ディペンダブル」と、LSIのトータルな消費電力を削減する「エコロジー」が実現できます。具体的には、本技術を活用すれば、今後ますます主流となる、先端LSI内に多くのコア(演算回路、メモリ回路、アナログ回路など)を搭載するメニコアにおいて、各コアの動作周波数、データ処理量、電源電圧等を適切に制御することで、先端LSIの消費電力を20%から最大50%削減(注1)できるようになります。

このたび開発した技術の主な特長は、以下のとおりです。

  1. LSI内へ温度センサを大量に配置可能
    トランジスタのリーク電流の温度依存性を利用した温度センサと、リーク電流をデジタル信号に変換する小型変換回路を新たに開発。従来のダイオード型温度センサに比べ、面積比で1/10と小型化を実現。また、リーク電流をデジタル信号に変換する回路も装備。さらに、トランジスタのリーク電流は、LSI動作時に電源電圧が変化した場合でも、温度測定誤差が2℃以下のため、高精度な測定が可能。これらにより、従来LSI内に数個しか配置できなかった温度センサを数十個配置できるようになり、LSI内の高精度かつリアルタイムな温度分布の観測が行える「見える化」を実現。
  2. LSIの製造ばらつきによる電流誤差を推測・補正可能
    電源投入時に、LSIのリーク電流量を測定することで、電流量から温度に変換する適切な変換式を予測、適用する技術を開発。温度測定誤差が数十℃と大きく、従来困難だったリーク電流を用いた温度センサを、測定誤差を約3℃以下と大幅に低減することで実現。先端LSIの製造ばらつきによりリーク電流が100倍以上異なり温度測定誤差が大きくなる場合でも、高精度な測定を実現。

今後ますます主流となる、マルチコアやメニコアなど、チップに大量のコアを配置して複雑な処理を行うLSIでは、時間ごとに処理を行うコアの場所が変化するため、温度分布も時間ごとに大きく変化します。そのため、高温箇所を正しく把握するためには、温度センサをチップ内に数多く配置し、リアルタイムに温度分布を観測する必要があります。しかし、従来の温度センサは面積が大きく、チップ内に数個しか配置できないため、適切な温度管理が困難でした。

LSI内の局所的な高温箇所は、トランジスタの性能劣化や配線の断絶などの信頼性劣化を引き起こす要因となってきています。また、LSIは、40℃の温度上昇でリーク電流が10倍以上増加したり、配線やトランジスタの寿命が半分程度に低減するため、先端LSIの高温箇所を無くす温度管理は、消費電力削減や信頼性維持のためにとても重要となっています。

たとえば現在、データセンターでは、センター内の温度分布を常時監視し、高温箇所への集中的な送風や別サーバへの分散処理などにより、センター内の温度を均一化しています。これらの高度な温度管理技術は、機器の信頼性確保や冷却効率の向上による電力消費の削減のために、ディペンダブル、エコロジー技術として実用化されています。

LSIにおいても、将来、現在のデータセンターに相当する機能が、1つのLSIで実現できる「データセンターオンチップ」(注2)が実用化されると考えられており、今回のLSI内の温度分布の「見える化」技術が必要不可欠となります。

このたび開発した技術は、LSIの高性能化がますます求められる、車載機器、デジタルAV機器、ネットワーク機器、サーバ機器などのLSIにおいて、「ディペンダブル」と「エコロジー」を実現するために必須の技術と考えており、今後とも、NECでは、環境問題解決に向けた技術開発を推進してまいります。

なお、NECでは今回の成果を、6月18日から20日まで、米国のハワイ州で開催される学会「VLSI回路シンポジウム2008」において、20日に発表いたしました。

以上

注1:

2コアによる処理分散および電源電圧制御を考慮した当社試算結果

注2:

データセンターオンチップ:今後のLSIの高集積化とチップ実装技術の進化により実現が期待されているもので、現在のデータセンター規模の処理が、メニコア技術により、オンチップで実現可能といわれている。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 広報グループ
URL: 新しいウィンドウを開きます。http://www.nec.co.jp/contact/

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