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ホーム > ニュース > プレスリリース > フォトニック結晶を用いた光通信用の光スイッチ技術を開発

「スローライト」を作り出すフォトニック結晶を用いた
光通信用の光スイッチ技術を開発 ~従来比サイズ1/1,000・消費電力1/10を実現する先進ナノテクノロジー~

2008年9月24日
日本電気株式会社

ピラー型フォトニック結晶の導波路

ピラー型フォトニック結晶の導波路

NECはこのたび、光集積回路技術であるシリコンフォトニクス(シリコン半導体を使った光回路)において、NECが独自開発したピラー(円柱)型フォトニック結晶(注1)を用いて、光スイッチ素子の超小型化および超省電力化を実現する技術を開発しました。

また、本技術を用いて、従来のシリコンフォトニクス光スイッチの10分の1となる20μm角の2×2(入力2、出力2)光スイッチ素子を開発し、WDM(注2)光通信用途に十分利用可能な40nmの波長幅で、17mWと低電力でのスイッチング動作に成功しました。

本技術は、フォトニック結晶を用いることによって、通常の約10分の1以下と速度が遅く制御効率の高い光「スローライト」(注3)を作り出し、光スイッチ機能を、数ミリ角のシリコンチップ上に集積することを可能とする技術であり、これによって、光スイッチ装置の従来比1/1,000の小型化や、1/10の省電力化が可能となります。

このたび開発した技術は、以下の通りです。

  1. 光素子を超小型・低電力化する「フォトニック結晶広帯域スローライト技術」を開発
    NECが独自に開発したピラー型フォトニック結晶を用いることによって、「スローライト」をWDM光通信に十分な40nmの波長幅全域で作り出す技術を開発。従来、光スイッチの微小化によって不足していた、光と電気の相互作用時間を十分に確保することによって動作効率を向上し、20μm角の超小型化ながら17mWの低電力スイッチング動作が可能なWDM通信用光スイッチ素子を実現。
     
  2. 大容量WDM光通信を実現する「フォトニック結晶広帯域光集積回路技術」を開発
    従来のフォトニック結晶の導波路技術では、導波路を曲げると光の透過帯域が減少したため、複雑な光回路を含むWDM光集積回路への適用が困難であった。弊社は独自のピラー型フォトニック結晶を用いて導波路の90°曲げ技術を開発。わずか0.4μmの曲げ半径でも光の透過帯域を広く保つことに成功し、フォトニック結晶導波路を用いた光スイッチにおいて、WDMへの対応と高集積化を両立。
     
  3. フォトニック結晶を用いた高機能光素子のシリコンフォトニクス回路への混載を実現する「フォトニック結晶光結合技術」を開発
    ピラー型フォトニック結晶の導波路と、従来のシリコンフォトニクス回路で用いるシリコン細線型の導波路とを繋ぐ超小型光結合素子の開発により、フォトニック結晶を用いた高機能光素子のシリコンフォトニクス回路への組み込みを実現。これにより、超小型で省電力性に優れるピラー型フォトニック結晶の光スイッチを、低損失性に優れるシリコン細線型導波路で接続することが可能。

近年、情報伝送量の増大に伴い、通信用ネットワークの高密度化と複雑化が進み、光ネットワーク内の信号経路を切り替えるための光スイッチの需要が高まっています。特に、異なる波長の光信号を数10波以上同時に扱うWDM光通信システムでは、光スイッチを1,000個以上接続する必要があり、装置の大型化と消費電力の増大が課題となっています。また、光ネットワーク装置は将来的にはFTTHを含む、より身近な領域にまで適用が広がり、小型化と省電力化がますます進むと予想されます。
これらに対応するために、これまで、シリコンCMOSの製造技術を用いたシリコンフォトニクスや、ナノテクの1つであるフォトニック結晶技術により、光スイッチを小型化、集積化する技術が開発されてきています。当社においても、小型化、省電力化に向けて、従来より研究開発を進めてまいりました。

このたび開発した技術は、WDM光通信システムだけでなく、今後、次世代光ネットワークシステムで必要となる光スイッチを含む、様々な光通信装置の小型化・省電力化に大きく寄与できるものであり、今後とも積極的な研究開発活動を続けてまいります。

なお、今回の成果は、平成16年度より、当社が参画している、総務省の「ナノ技術を活用した超高機能ネットワーク技術の研究開発」の一環として進めてきた「フォトニック結晶を用いた光スイッチ技術」の研究成果であり、電子情報通信学会 2008年ソサエティ大会(9月16日~19日、開催場所:明治大学)、及びベルギー・ブリュッセルで開催される国際会議ECOC2008(9月21日~25日)で発表予定です。

以上

注1:

フォトニック結晶は、光の波長程度の周期で屈折率の高い材料と低い材料を2次元あるいは3次元的に配列した人工的な光学材料で、種々の構造のものがある。ピラー型フォトニック結晶は、円柱型の高屈折率材料を配列して形成される。従来のフォトニック結晶の中では、高屈折率材料に周期的な穴を開けて形成した孔型フォトニック結晶(ホール型フォトニック結晶)が代表的。シリコンフォトニクス用のフォトニック結晶では高屈折率材料としてシリコンが用いられる。
 

注2:WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)光通信:

光ファイバ通信において、光ファイバ内を伝送させる光の波長を多重化することで波長数分だけ伝送容量を拡大する技術。
 

注3:スローライト

真空中の光に比べて極端に遅く伝搬する光。特殊な材料や構造を利用してスローライトを生成する技術のことをスローライト技術と呼ぶことがある。スローライト技術は、限られた大きさで光信号を一時的に蓄える働きをする光バッファの技術として、或いは、光が通過する材料やデバイスと光との相互作用の時間を長く取れることを利用して光素子を小型・省電力化できる技術として期待されている。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画部 広報グループ
URL: 新しいウィンドウを開きます。http://www.nec.co.jp/contact/

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