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ホーム > ニュース > プレスリリース > 電子機器の基板内部におけるノイズ干渉を抑制する実装構造を開発

電子機器の基板内部におけるノイズ干渉を抑制する実装構造を開発 ~無線送信電力1/10でも従来同等の通信品質を確保~

2009年3月12日
日本電気株式会社

EBG構造を内蔵したプリント基板を用いて試作した無線機能搭載の端末

EBG構造を内蔵したプリント基板を用いて試作した無線機能搭載の端末

NECはこのたび、高密度に実装された電子機器内部のプリント回路基板の構造において、基板内部を伝播するデジタル回路から無線通信回路への電磁波(ノイズ)の干渉を抑制可能な、高密度EBG(Electromagnetic Band Gap)構造(注1)を開発しました。
このたび開発したEBG構造は、電磁波の波長に比べ短い周期で小片(セル)を多数配列した構造を持つ人工材料(メタマテリアル、注2)の一種で、本構造を電子機器のプリント回路基板に内蔵することにより、基板内を伝搬する特定の周波数帯の電磁波を遮断し、電磁干渉を低減することができるものです。
また、本構造は、各セルにコイル型の微細な配線パターンを設けるなど新規の構造を採用することにより、セルのサイズを大幅に小型化しています。

本構造を内蔵したプリント回路基板を用いて、無線通信機能を有するデジタル信号処理機器を試作し、無線通信特性の評価を行った結果、電磁干渉の影響を約10dB低減できることを確認しました。これは、受信する無線の電力が1/10に低下しても、これまでと同等の通信品質を確保できることを示しており、無線送信電力の低電力化や通信可能範囲の拡大に貢献できます。
さらに、本構造をSi基材に適用し、薄膜プロセスを用いて導体膜を形成することで、2.4GHz帯の電磁波干渉を抑えながら、従来の約1/10となる単位セルサイズ1mmの素子を試作しました。これにより、SiP(注3)への搭載に向けて、さらに小型化が可能となり、無線通信端末などの高密度に実装された電子機器に適用し、機器内の電磁干渉を抑制することが可能となります。

本実装構造の特長は、以下の通りです。

1.特定の周波数帯域の電磁波(ノイズ)を遮断可能

EBG構造により、プリント回路基板内を伝搬する特定の周波数帯域の電磁波を遮断可能。無線通信機能を有する電子機器のデジタル回路-無線通信回路間の干渉を抑制。

2.製造の追加コストが不要

従来のプリント回路基板の配線パターン設計、製造プロセスが適用可能であるため、製品化において新たな製造設備などへの追加投資が不要。

3.高密度実装に適した小型化を実現

小片状導体(セル)に細いコイル状の配線パターンを適用することにより、セルのサイズを従来比で約1/10に低減。メタマテリアルとしてセルを配置する周期も約1/10になるため、高密度実装された電子機器への適用が可能。

4.LSIパッケージにも適用可能

Siなどの微細加工が可能な基板(Siインターポーザ、注4)への適用が可能なため、将来的にはLSIのパッケージなどで利用可能。

NECではかねてから、EMC(電磁波干渉)問題の解決に取り組んでおり、電子機器から発生する不要な電磁波の抑制や、外部電磁雑音の影響による機器の誤動作防止技術の開発を進めてまいりました。
近年、電子機器の実装密度の向上にともない、無線機能を用いた電子機器のデジタル信号処理回路から無線回路への電磁干渉など、同一基板内部における回路間の電磁干渉の問題(イントラEMC、注5)がクローズアップされてきております。

特に、デジタル回路から発生する、比較的レベルの高い電磁雑音は、レベルの低い信号を扱う無線回路に混入してスループット(処理能力)の低下や通信阻害などの無線通信品質の劣化を引き起こします。

EBG構造は、こうした機器内部、回路間の電磁干渉抑制に有効であるものと見られ、各方面で研究開発が進められています。
EBG構造の1セルあたりのサイズは遮断を必要とする周波数における波長に依存します。無線LANなどの無線通信で広く利用されている周波数2.4GHz帯では、従来の構造では10mm以上が必要となり、高密度に実装された電子機器のプリント回路基板への適用は極めて難しいものでした。

このたびNECが開発した構造は、セルに細い配線パターンを設けた構造を採用することにより、1mmのセルサイズによって、同周波数帯の電磁波の遮断することができ、高密度に実装された電子機器への適用が可能になるとともに、さらにSiインタポーザへ適用することで、複数のLSIが搭載されたSiP内の電磁干渉抑制にも利用できるものです。

なお、今回の成果のうち、Siインタポーザへの適用技術に関しましては、3月17日から20日まで、愛媛大学で開催される電子情報通信学会総合大会で、18日に発表する予定です。
また、本研究は総務省からの委託による「マイクロ波帯、ミリ波帯の利用拡大のための機器雑音抑制技術の研究開発」プロジェクトにおいて実施したものです。

NECでは、今後も電子機器内部の電磁干渉を低減することで、無線通信品質を常に良好に保ち、電波資源の有効利用に貢献する技術開発を推進してまいります。

以上

注1

EBG構造:特定の周波数ノイズのみカットできる特性を持つ基板構造

注2

メタマテリアル:人工的な構成要素を周期的に配置することで、自然界には存在しない物性を持つ材料。誘電体に導体よって構成された小片(セル)が、電磁波の波長に比べ短い周期で多数配列した構造を持つ

注3

SiP(System in Package):ロジック、メモリ等複数のLSIチップを2次元もしくは3次元に搭載してパッケージ化したもの

注4

Siインターポーザ:SiPにおいて微細配線や狭ピッチ接続を可能とするSiを基材とした基板

注5

イントラEMC:同一基板内部における回路どうしの電磁波干渉

本件に関するお客様からの問い合わせ先

NEC 研究企画部 広報グループ
URL: 新しいウィンドウを開きます。http://www.nec.co.jp/contact/

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