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ホーム > ニュース > プレスリリース > グリッド上で世界最大級の広域ベクトル型スーパーコンピュータ連携を実現

グリッド上で世界最大級の広域ベクトル型スーパーコンピュータ連携を実現 ~大規模ベクトル計算クラウドも視野に~

2009年6月2日
東北大学
大阪大学
国立情報学研究所
日本電気株式会社

東北大学サイバーサイエンスセンター(所在地:宮城県仙台市 センター長 小林 広明)、大阪大学サイバーメディアセンター(所在地:大阪府大阪市 センター長 竹村 治雄)、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(所在地:東京都 所長 坂内 正夫)およびNECは、このたび、国立情報学研究所が研究開発したNAREGIミドルウェアを活用して、遠隔にある2つのベクトル型スーパーコンピュータをひとつのシステムとして仮想化してプログラムを実行し、世界最大級のベクトル型スーパーコンピューティング環境の実現が可能であることを実証いたしました。

ベクトル型コンピュータは、流体計算や構造物の力学計算、新物質探求や気象計算などに代表される大規模科学技術計算を高い実行効率で処理することが可能であり、最先端の研究開発や製品設計における重要な基盤として広く利用されています。東北大学では、NEC製SX-9 16ノード(最大ベクトル理論性能 26.2TFLOPS)、大阪大学では同じくSX-9 10ノード(同 16.4TFLOPS)を導入しており、両者は学術情報ネットワーク(SINET3)で高速接続されています。

またNAREGIミドルウェアは、広域に点在する研究開発拠点の大規模な計算リソースを高速ネットワークで密に連携させ、仮想的にひとつの巨大なコンピュータと見做すことで、従来の個別コンピュータシステムの利用のみでは困難であった大規模並列シミュレーションなどを、効率的に実行することが可能です。
今回、新たにSX-9のローカルスケジューラ(NQS)と高い親和性を持たせた“GridVM for SX Vector Computer”を開発し、ジョブ管理機能、情報プロバイダ機能、資源利用量制限機能を強化しました。これにより、グリッド環境においてもベクトル計算資源の効率的な利用が可能となり、さらに、センター通常ジョブとグリッドジョブの共存によって世界に先駆けたクラウド型計算サービスの提供が可能となります。

今回の実証実験では、共有メモリおよび分散メモリ用の並列プログラミングライブラリを用いて、並列化された電磁界分布シミュレーション用のプログラムを、東北大学と大阪大学のSX-9上を接続して実行させました。クラウド基盤構築の第一歩として、今回開発したSX-9用GridVMをNAREGIミドルウェアに導入することにより、両計算センターの計算資源の仮想化を実現するとともに、処理負荷状況の自動的な判断によってジョブの最適な振分け実行が、2つのスーパーコンピュータ間で可能であることを、実証いたしました。

今後は、ベクトル型スーパーコンピュータを保有するより多くの組織との連携により、利用者の利便性を高め、応用ソフトウェアの全体としての実行効率向上やコスト低減を実現する、新しい時代の学術情報基盤「ベクトル計算クラウド」の実現に向けて取組む予定です。
その結果、以下のような先進的な科学技術計算環境を構築することができると期待されます。

  • 利用者の望む条件(最短時間、最低コスト等)を自動的に判断してジョブを実行
  • 利用者の望むアプリケーションの存在場所を自動的に探索してジョブを実行
  • 利用者のプログラムが最も効率的に動作する計算資源(例えば流体計算のためのベクトル計算機)を自動的に探索してジョブを実行
  • ネットワーク上の計算資源を統合、仮想化することで、利用者に対して統一的な利用環境で、高性能計算サービス、および大学発アプリケーションサービスを提供

なおこの取り組みは、国立情報学研究所が推進する最先端学術情報基盤(CSI:Cyber Science Infrastructure)整備の一環として行っているものです。


<補足1 NAREGIミドルウェアとシステム構成>
NAREGIミドルウェアは、国立情報学研究所が文部科学省の委託を受け、2003~2007年の5年間で開発したサイエンス向けのグリッドミドルウェア。グリッドの世界標準に準拠するとともに情報基盤センター等での利用も考慮しており、特にGridVMは、各計算リソースに亘る多数のジョブの効率的実行を司るスケジューリング機能に対して、利用者からの隠蔽(仮想化)を図ることで、利用者は複雑なグリッドの内部メカニズムを意識することなく、あたかも単一計算機を利用している感覚で、広域・大規模リソース上での科学技術計算を実現している。 NAREGIミドルウェアの主要なソフトウェア・コンポーネントは、以下のとおり。

  • ポータル:グリッドシステムとのユーザーインターフェース
  • IS(分散情報サービス):グリッド環境における計算リソース、ネットワーク、ソフトウェア、アカウンティング等に関する情報の統合的な管理
  • SS(スーパースケジューラ):グリッド上の計算リソースやジョブを管理し、利用者のジョブ要求に対応したリソースの探索やスケジューリングを実行。リソースブローカリング機能、ジョブワークフローエンジンなどの機能を保有
  • GridVM:異機種計算機上の計算リソースを仮想化して表現し、統一されたインターフェースでのリソース/ジョブ管理サービスを提供
  • ワークフロー:ジョブ実行に関する操作をグラフィカル・ユーザーインターフェースにより簡便に記述・実行可能とするツール

参考:http://www.naregi.org (国立情報学研究所 NAREGIホームページ)

<補足2 グリッド・コンピューティング>
ネットワーク接続された計算資源やストレージを仮想的な共有資源として容易に利用することを可能とする技術。物理的に分散した計算機を束ねて大規模な計算を実行したり、空いているコンピュータを自動的に見つけて効率的な資源活用を行うことができる。また計算だけではなく、ストレージなどのリソースも仮想的に統合して利用するなど、ビジネス分野での活用も進められている。「グリッド」という言葉は電力供給ネット(Power Grid)のアナロジーである。クラウド・コンピューティングも、グリッドで蓄積された技術を利用している。

<補足3 クラウド・コンピューティング>
インターネット上にグローバルに分散した計算資源やデータ資源を使って、ユーザーに対して、より便利にかつ安価に情報サービスやアプリケーションサービスを提供するという、コンピュータの利用形態。

<補足4 ベクトル計算機>
データを大きな単位で連続的に処理する仕組みのCPUで構成された計算機であり、流体計算や気象解析、電磁場の解析などの科学技術計算に適している。
本実証実験で使用したNEC製SX-9は、商用システムとしては世界最速102.4GFLOPSを達成したCPUを有している。

<補足5 FLOPS (Floating Point Operations Per Second)>
1秒間に実行可能な浮動小数点演算(加算、乗算など)の回数
GFLOPS:1秒間に10億回  TFLOPS:1秒間に1兆回


以上

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