本ウェブサイトでは、JavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。
お客さまがご使用のブラウザではスタイルが未適応のため、本来とは異なった表示になっておりますが、情報は問題なくご利用いただけます。
2011年3月7日
日本電気株式会社
NECはこのたび、大量の果物の一つ一つを、写真から高精度に識別できる、農作物の照合技術(アグリバイオメトリクス、注1)を開発しました。
本技術は、世界トップレベルであるNECの指紋・顔認証技術を応用したもので、果物の外観を撮影し、表皮の模様を基に、個々を識別できます。
本技術により消費者や販売業者は、バーコードラベルや電子タグを用いることなく、生産者が出荷前にカメラで撮影し登録した写真と照合するだけで、栽培記録や産地などの情報を入手できます。これにより流通過程における産地偽装の防止と、安全・安心なトレーサビリティ(注2)の実現に貢献します。
本技術の検証のために、約1800個のメロンを撮影した写真を用いて実験を行い、100万個を識別可能な照合精度(注3)を実現しました。
本技術の特長は以下の通りです。
近年、食品や農産物において、産地や栽培履歴の情報の偽装や誤表示などの問題が増加しています。そのため、個々の農産物にラベルや電子タグを付けて情報を管理していますが、取り付けにコストがかかる上、ラベルの貼り替えや中身の入れ換えなどの偽装のリスクがあります。これに対して、DNA鑑定や元素分析で産地を証明する方法が利用されていますが、日常的な対応は困難です。
このたび開発した技術は、個々を識別することで上記の課題を解決します。
NECでは他の農水産物への展開など、今後も本技術の研究を進め、2~3年後の実用化を目指します。また、本技術を流通管理だけでなく、農業現場からマーケティングまで、サプライチェーン全体を支援するクラウドサービスとして提供するため、応用技術の開発を進めてまいります。
なお、NECは本技術を、本年3月8日から11日まで東京ビッグサイト(東京都・江東区)にて開催される「リテールテックJAPAN」で展示します。
以上
生体が持つ個体特有の特徴、特に人の指紋、顔などの特徴は「バイオメトリクス」と呼ばれるが、同じく生物である農産物の個体毎の特徴を指す。
(注2) トレーサビリティ製品を、製造から流通、販売に至る過程において追跡できるようにし、どこで、何が、どのように行われたかなど、その履歴に関する記録を照会できること。
(注3)メロン約1800個を市販の携帯電話内蔵カメラで撮影して行った実験で、偽物を本物と間違える確率100万分の1、本物を偽物と間違える確率は0.4%を達成。
私たちNECグループは、 「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現する グローバルリーディングカンパニー」を目指しています。 |
共有する: | Tweet |
NEC 知的資産R&D企画本部 広報グループ
URL: http://www.nec.co.jp/contact/
このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。