[C&C for Human Potential / NEC Corporation]

報道関係各位                         平成8年7月2日
                               日本電気株式会社

個々のカーボンナノチューブの電気的特性の測定に成功
〜 構造の違いにより異なる特性を確認 〜


Electrical Measurment of Individual Carbon Nanotubes カーボンナノチューブの電気的特性の測定
Electrical Measurment of Individual Carbon Nanotubes
カーボンナノチューブの電気的特性の測定

NECとNEC北米研究所はこのたび共同で、微小であるため特性を測定するのは極めて困難であったカーボンナノチューブ一本々々の電導性を正確に測定することに初めて成功いたしました。また、この結果ナノチューブの特性が構造の違いによって、導体、半導体および絶縁体の異なる性質を持つこと、および、個々のナノチューブ間の電導性にかなりの多様性を持つことを見出しました。

これらの実験結果は、ナノチューブのエレクトロニクス材料への応用に向かっての研究を大きく前進させたことになります。

今回用いた測定方法は、カーボンナノチューブの電気特性を正確に測定するために、ナノチューブの4カ所に電極をあてて測定する4端子法に基づくものであります。この電極には、ナノチューブに4本の80ナノメートル幅のタングステン導線をコンピュータ制御のFIB(収束イオンビーム)装置(注1)を用いて形成いたしました。

本方法による測定の結果、

などの特性が明らかになりました。

近年、カーボンナノチューブの特性は、「その電気的特性が微小な構造上の変化によって決められる」という理論的な仮定がなされており、それを実験的に解明をおこなうことへの関心が高まっております。特にカーボンナノチューブの半径、炭素原子のヘリシティ(らせん度)が、ナノチューブが金属であるか半導体であるかを決める要素と考えられています。

しかしながらナノチューブは、直径が髪の毛の1万分の1にあたる6〜20ナノメートルと微小であり個々に測定することが極めて困難であるため、多量のものを一緒に測定せざるを得ませんでした。最近になって、カーボンナノチューブの電導性を個々に計測した例もいくつかありますが、それらはいずれも2端子測定であり、得られる情報がかぎられているため、より正確な情報が得られる4端子測定を可能にする方法が求められておりました。

NECでは、カーボンナノチューブを5年前に作り出し、構造上の解析をおこなってまいりましたが、これをデバイスなどに応用するためには電気的特性の測定は必須であるため、NEC北米研究所と共同で、個々の特性を正確に測定できる方法も同時に研究してまいりました。このたび初めて4端子法による測定方法を確立し、カーボンナノチューブの重要な特性を明らかにしたものであります。

NECとNEC北米研究所は、今回の成果がカーボンナノチューブの今後の研究に大変重要な意味を持つと考えているため、今回の研究成果をもとに、微小で様々な電導性をもつナノチューブの特性を利用して、広範なエレクトロニクス材料などへの応用に向けてのカーボンナノチューブのさらなる解明を目指していく計画であります。

                                    以 上

(注1)FIB(Focus ion beam)装置:
ミクリオン・ヨーロッパ(本拠:ドイツミュンヘン)の協力による。



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