[C&C for Human Potential / NEC Corporation]
平成9年1月8日
報道関係各位
日本電気株式会社

臨場感ある仮想図書館を自由に情報散策できるユニバーサル電子図書館の開発について


ユニバーサル電子図書館(universal Digital Library)
ユニバーサル電子図書館(universal Digital Library)

ユニバーサル電子図書館(universal Digital Library)
ユニバーサル電子図書館(universal Digital Library)

NECはこのたび、21世紀の情報化社会におけるマルチメディアの新しい形態として、あたかも実際の図書館にいる感覚で、図書の検索や閲覧ができる次世代のユニバーサル電子図書館を世界で初めて開発いたしました。

今回開発したユニバーサル電子図書館は、ハイビジョン上のCG(コンピュータグラフィックス)で生成した臨場感ある仮想図書館を、自由に散策したり、目的の書架を取り出して閲覧できるなど、あたかも自分が実際の図書館にいるような感覚で利用できるもので、また必要に応じてCGによる擬人化司書に音声で問いかけると、仮想図書館内の案内や見たい図書の検索もおこなってくれるものであります。さらに、WWWを通じて世界中の情報源からほしい図書情報を収集し、自由に独自の図書館を構成することも可能であります。

本システムは、仮想書架の間を自由に動き回れるCGによる「ウォークアラウンド技術」を駆使し、また、コンピュータを意識せずにあたかも人間と話をしているような感覚でコンピュータを使用できる「擬人化エージェント技術」を開発することにより実現いたしました。

これらの機能とネットワークを組み合わせることにより、近い将来にはコンピュータの専門知識を持たなくても誰でもが、手軽に、家庭やオフィスなどにいながら日常本を探したり読んだりするような手軽な感覚で、世界中の図書館から必要な図書を検索したり利用ができる、パーソナル仮想図書館の実現も可能になります。

近年、各国でGII(Global Information Infrastructure)計画(注1)やFTTH(Fiber-To-The-Home)計画(注2)など高速ネットワークの導入が進められています。電子図書館システムは、こうした高度なネットワーク社会において実現が期待されている代表的な情報システムであります。現実に、通産省や郵政省を筆頭に国家プロジェクトとして電子図書館が取り上げられたり、民間企業においても関連技術開発が盛んに行われています。また、21世紀初頭には国立国会図書館関西館の建設が計画され、その中で大規模な電子図書館を実現することが計画されています。これらはすべて、ネットワークを介してサービスを提供することを前提としており、世界中の人たちの誰もが、必要な情報を簡単に入手できることを目標としています。専門的な研究者、コンピュータに馴染みのない人たち、また家庭の子供や高齢者など、あらゆる人たちに、あまねくサービスが受けられるような技術開発が求められています。

このような電子図書館を実現するには、従来いくつかの問題点がありました。

(1)コンピュータに関する専門的知識が必要。

電子図書館の利用というのは一種の情報検索であり、パソコンやワークステーションといったコンピュータを、十分使える知識と教育が必要であった。従って、TVやVTRといった、少なくともコンピュータを意識させないユーザインタフェースの実現が必要となる。

(2)人によって自由な情報探索方法が選べない。

従来の情報検索は、キーワードなどのいわゆるデータベース検索の手法のみを提供していたため、情報を見て歩くうちに目的の情報に到達するといった情報散策的な機能が提供されていなかった。ユーザの目的や特性に応じて、適切な情報アクセス方式を提供する必要がある。

(3)使い勝手のよいビジュアルインタフェースが提供されていない。

三次元CGにより仮想図書館を実現するだけでは、物理的な図書館の模擬だけで、館内で迷ったり、目的の本が探せなかったりすることが起こる。従来ビジュアルなインタフェースを提供している図書館システムもあったが、これらを解決する機能が実現されていなかった。人間の認知特性を考慮した散策支援機能の提供が必要である。

NECはかねてから、これらの問題点を解決し、誰でも簡単に必要な情報を手に入れることのできる電子図書館の研究開発を進めてまいりましたが、このたび臨場感ある仮想図書館の中を自由に情報散策できる「ユニバーサル電子図書館」の開発に成功したものであります。

今回開発したユニバーサル電子図書館は、単に物理的な図書館を模擬したに留まるものではなく、図書館や図書そのものが仮想であることの特長を利用して、自分の好みや分類に合う図書を並べたり、自由に並べ替えたりする「個人図書館」、新刊など時間と共に変化する図書を並べる「動的図書館」、ビデオなど図書以外のものも並べる「何でも図書館」などさまざまなサービス形態が考えられます。また、ディジタル化、電子化の強みを活かして図書館から博物館、美術館さらには家庭や教育現場からの手軽に夢のあるマルチメディア情報サービスへ広がっていく可能性を秘めています。

従ってNECでは、今後これらの可能性をさらに追求し、将来の真のマルチメディア社会の実現のため研究開発を強化していく計画であります。

以 上


(注1)GII(Global Information Infrastructure)計画:
米国のスーパーハイウェイなどの次世代通信網整備計画を世界規模で発展させる「全地球的情報基盤」構想。

(注2)FTTH(Fiber-To-The-Home)計画:
光ファイバーを家庭まで施設し、マルチメディア利用など次世代の高度情報通信サービスを実現使用とするもの。



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