[C&C for Human Potential / NEC Corporation]



平成9年4月28日
報道関係各位
日本電気株式会社 


米国における研究成果の事業化を行うベンチャー企業の設立について
〜マルチメディアコンテンツの著作権保護技術の新会社〜


NECはこのたび、米国における研究成果の事業化をおこなう企業として、マルチメディア情報流通時代に必須となる著作権保護技術の開発と製品化を目的とした新会社を、5月2日に、ニュージャージー州プリンストンに設立することにいたしました。

今回設立する新会社は、名称を「シグナファイ社(Signafy,Inc.)」とし、事業としては、昨年NEC北米研究所(NEC Research Institute,Inc:NECI)が開発に成功した、マルチメディアコンテンツにID情報を埋め込んで著作権の保護をおこなう「ウォーターマーク技術(電子透かし技術)」(注1)を利用したソフトウェア製品の開発、販売、サービス提供をおこなう計画であります。

新会社は、NEC USA社の子会社として設立され、資本金は当初220万米ドルであります。所在地はプリンストンのNEC北米研究所内に事務所を置き、従業員数は設立後1年で20名程度にする計画です。また、社長(CEO)は設立後すみやかに外部より適任者を採用する予定でありますが、それまでの間北米研究所先端コンピュータ研究プロジェクトのディレクターであるジェームズ・フィルビン(James Philbin )が社長を兼務いたします。

また、経営にはベンチャーキャピタルのノウハウを取り込み、米国流の手法(注2)により事業開拓をおこなうことを目指してまいります。

近年、インターネット等でマルチメディア情報を扱うビジネスが盛んになるにつれて、写真や映像や音楽などのデジタルコンテンツが不正使用される危険性が益々高くなりつつあります。これらの著作権を保護するためには、コンテンツに管理情報を付加してこれを取り除けなくすることにより、複製防止をおこない、また、万一複製されても管理情報が消えず著作権所有者を解明できるようにする必要があります。しかしながら、従来このような著作権保護の技術は確立されていないため、インターネット等でマルチメディア情報流通ビジネスをおこなう上で大きな障害となり、市場の拡大の妨げとなっております。したがって、不正な複製を防止し、著作権を保護・管理できる技術はその拡大のために必要不可欠なものとして、早期の実用化がもとめられていました。

NEC北米研究所は、昨年マルチメディアコンテンツの著作権保護に最適な、「ウォーターマーク(電子透かし)技術」の研究開発に成功いたしました。今回、本技術をベースとして、マルチメディアコンテンツの著作権保護管理のソフトウェア製品の開発と販売、サービス提供等の事業をおこなうベンチャー企業を米国内に設立することにしたものであります。

また、本技術を米国におけるDVDコピープロテクションテクニカルワーキンググループ(CPTWG:Copy Protection Technical Working Group)に著作権保護の規格として提案しており、NECとシグナファイ社は協力して本事業を推進していく計画であります。

NECは、シグナファイ社がおこなうマルチメディアコンテンツのセキュリティ事業により、マルチメディア情報流通ビジネス拡大の妨げになっていた不正使用に対する著作権保護が確立され、その飛躍的な拡大に貢献できると考えております。シグナファイ社は、今後積極的に本事業をすすめ、業界におけるリーディング企業、および2000年の株式公開を目指していく計画であります。

なお、新会社の概要は別紙の通りであります。

以上


(注1)ウォーターマーク(電子透かし)技術:
マルチメディアコンテンツの著作権保護のために、著作者のIDを透かし模様のごとくデータに組み込む技術。
NECの北米研究所で開発した技術は、著作者のID情報等を周波数帯域に拡散させて電子透かしとし、写真や映像、音楽などのデータに組み込むもの。この電子透かしは、信号の中に一様に拡散されて目に見えない上、いったん挿入されると複製されたデータからも除去が困難であるため、著作権所有者を保護することができる。所有権を確認する場合は変換時と同じ符号を用いて復調することにより著作者のIDを検出し、照合することができる。また、この技術を利用し、コピー防止の機能をもたせることも可能である。
この技術は、デジタル写真のような静止画像から動画像や音楽まで、多種多様のデジタルデータに適用できる。

(注2)米国流の手法
米国における様々なベンチャービジネスの育成ノウハウを取り込んでいく。

例えば

  1. 業界に影響力のある有能なCEO(最高経営責任者)を外部からリクルート
  2. 有力ベンチャーキャピタルからの支援を仰ぐ
  3. 新会社の経営陣・従業員にストックオプション(自社株購入権)を付与する。

等があげられる。



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